MotoGPは1年の不在を経て、モーターランド・アラゴンに復帰し、スペインでの年間開催数を再び4戦に戻す。しかし、この数は今後、新たな国々に開催権を譲るために減少する可能性がある。アラゴンGPの初開催はサーキット開設翌年の2010年で、最近ではトラックが再舗装され、テストを行ったライダーたちによると、グリップ力が向上しているようだ。

GPデータ

ブレンボの技術者によれば、全長5.1kmのモーターランド・アラゴンはブレーキにとって難易度の高いサーキットだ。難易度スケールでは1から6のうち4に分類され、1周あたり11か所のブレーキポイントがあり、そのうち3か所が「ハード」、4か所が「ミディアム」に分類されり。ブレーキは1周で31秒間使用され、ライダーはスタートからゴールまでに合計925kgの力をブレーキレバーに加える。

ウィングを装備したMotoGP

過去5年間で、MotoGPバイクは大幅な空力向上を遂げた。バイクの各部に配置されたウィングが、パワーを効率的に路面に伝えるのに役立っている。これらのウィングは、最新世代のブレーキシステムにも影響を与えている。ブレンボのトップクラスのキャリパーは32枚の通気フィンを備えており、これによって放熱面積が拡大する。

高温はブレーキシステムにとって大きな問題だ。熱がすぐに逃げない場合、ブレーキシステムが正常に機能しない可能性がある。フィンはブレーキディスクとホイールの回転による空気の流れを生み出し、従来のキャリパーと比較して温度が20~30度低下する。これは、フィン1枚あたりほぼ1度の温度低下に相当する。

最も厳しいターン

モーターランド・アラゴンでブレーキシステムにとって最も厳しいコーナーはターン1だ。MotoGPバイクは292km/hから91km/hまで4.4秒で減速し、216メートルをカバーする。この際、ブレーキレバーには6.1kgの力が加わり、減速Gは1.5Gに達する。ブレンボのブレーキフルード圧力は13バール、カーボンディスクの温度は690℃に達する。

(Photo courtesy of brembo)