2027年を見据えたエンジン開発

リン・ジャービス

「ミサノテストは重要なもので新しいエンジンもテストしていました。現時点ではシーズン終了までを考えて最大限戦力のあるパッケージを検討していますし、2025年についても同様です。シャーシも新型をテストしており、このパーツを今週末持ち込んでいます。シーズン終盤に向けてパフォーマンスが改善することを願っています。V4エンジンについては噂になっていましたが、ヤマハがV4エンジンを開発しているのは事実です。非常に今は開発に忙しく動いてところです。」

「V4エンジンの開発はかなり前から行っています。スズキがMotoGPに参戦したいた時は、ヤマハを含めて2社のみが直列4気筒エンジンを使用していました。昨年はスズキが撤退、多くの新技術が生まれた年で、ヤマハのみが直列4気筒エンジンとなりました。このエンジンはまだ開発を進めて性能が向上する可能性があります。しかしライバルは皆V4を使用しており、2027年より先を見越した時に新レギュレーションを踏まえてもV4エンジンのポテンシャルを理解しておくことが重要です。(※2027年は排気量が850cc、ライドハイトデバイスの禁止、エアロダイナミクスパッケージの縮小などが予定されている)」

「こうした観点からV4エンジンの開発をプロジェクトとして進めています。V4エンジンの開発については順調に進んでおり、すでにベンチテストも終えています。まだバイクに載せて走行する段階には至っていませんが、しっかり準備を進めて耐久性を確認してからトラックテストを行います。もしV4エンジンが直列4気筒エンジンよりも良ければ早めに投入するでしょうが、開発の一番の理由は2027年の時点での最適なエンジンを見つけることにあります。」

「2027年はまだ遠い先のことですが、先を見据えて開発を進め経験を積む必要があります。レースで使用するのはすぐではないでしょうが、トラックでのテストはそこまで遠くない未来です。おそらく開発が順調なら来年の中頃にはV4エンジンでの走行が出来るでしょう。多くの作業がありますが、2つの素晴らしいチームに4人の強力なライダーがいます。多くの素晴らしいエンジニアもいますから、ヤマハは再びタイトルコンテンダーに返り咲きますよ。」