プリマ・プラマック・ヤマハMotoGPチームは、今週末のアメリカズGPに向け、テキサス州のシェパード空軍基地を訪問。第3戦を前に、80th飛行訓練航空団のもと、貴重な航空体験を行った。今回は負傷欠場のミゲル・オリベイラの代役として、ヤマハ公式テストライダーのアウグスト・フェルナンデスがジャック・ミラーとともに参戦する。
ENJJPT(Euro-NATO Joint Jet Pilot Training)プログラムの拠点でもあるこの基地では、将来のNATO戦闘機パイロットたちが地上訓練からT-6テキサンII、そして超音速機T-38タロンでの訓練に至るまで、55週間にわたる厳しいプログラムを受けている。
チームディレクターのジーノ・ボルソイは、T-38タロンに搭乗し、実際の訓練飛行を体験。MotoGPの世界とは異なるフィールドで、最先端技術とフィジカルの極限を体感した。
「T-38での飛行は人生で最も驚異的な経験でした。加速よりも、高Gが続く旋回の中での呼吸と身体のコントロールが印象的でした。航空とモーターサイクルレースは、技術、規律、訓練という点で共通しています。次の人生では戦闘機パイロットになりたいですね」とボルソイは語った。

オースティンの名物サーキットへ
総距離5,531m、20の多彩なコーナーを持つサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)は、今季でも屈指のテクニカルコース。方向転換の鋭さ、トラクション、そしてパワーが試される舞台だ。
前戦アルゼンチンGPでは、ミラーが13位でフィニッシュ。スプリントでの接触により、オリベイラは肩を負傷し欠場を余儀なくされた。今回、代走としてYZR-M1に跨るのはフェルナンデス。テスト経験はあるものの、レースデビューは今回が初となる。
ジャック・ミラー
「オースティンでのレースはいつも楽しみです。ファンも素晴らしく、特別な週末になると思います。ヤマハでここを走るのは初めてなので、どんなフィーリングになるかは未知数ですが、YZR-M1がどう順応するかを見るのが楽しみです。今は結果以上に、できるだけ多くのデータを集めることが大事だと思っています。アウグスト、ようこそ。そしてミゲルの早期回復を祈っています」
アウグスト・フェルナンデス
「まずはミゲルにお見舞いを申し上げます。一日でも早く回復することを願っています。一方で、プリマ・プラマック・ヤマハから出走できるこの機会をとても嬉しく思っています。YZR-M1にはまだ2度しか乗っていませんが、最初からいい感触がありました。COTAは難しいコースですが、素晴らしい舞台でもあります。まだレース勘を取り戻さないといけませんが、チームと早く連携を深めていきたいです」



(Photo courtesy of Pramac)