ヤマハ マレーシアGPで年内最後の連戦に挑む

モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームは、今週末セパン・インターナショナル・サーキットで開催される2025年MotoGP世界選手権第20戦マレーシアGPに臨む。ファビオ・クアルタラロとアレックス・リンスは、それぞれの課題と収穫を胸に、フライアウェイ最終戦となるこの一戦で限界までプッシュする構えだ。

フィリップアイランドからマレーシアへと移動したヤマハ陣営。クアルタラロはオーストラリアGPでの厳しいレースにもかかわらず、ランキング9位をキープ。過去にセパンでのフルレースで7位以下に沈んだことがなく、2022年には負傷を押して3位表彰台を獲得するなど相性の良さを誇る。今年もこの好成績を維持し、浮上のきっかけを掴みたいところだ。

一方、リンスはフィリップアイランドでのバトルを大いに楽しみ、自信を深めている。現在ランキング19位ながら、セパンは過去に好走した得意トラック。Moto3では2013年に2位、2014年に3位、プレミアクラスでは2018年に2位表彰台を獲得。昨年も8位に入り、今季ベストのフルレース結果を記録しており、今年もそれに続く成績を狙っている。

セパン・インターナショナル・サーキットは1999年に初開催されて以来、MotoGPの定番トラックとして親しまれている。5.5kmの長いレイアウトに、低速〜中高速のコーナーが絶妙に組み合わさり、直線も2本(最長920m)あるため、スリリングな展開が常に期待される。また、極端に高温多湿な気候もライダーとマシンに大きな負荷をかける。

なお、週末の開幕前には、クアルタラロとリンスがホン・リョン・ヤマハ・モーター(HLYM)を訪問。プラマック・ヤマハのミゲル・オリヴェイラ、Moto2参戦中のイサン・ゲバラ、トニー・アルボリーノも同行し、現地で温かい歓迎を受けた。これにより、ライダーたちの士気も一層高まっている。

マッシモ・メレガリ(チームディレクター)

「前戦は我々が期待していたような結果にはなりませんでした。ファビオはポールを獲得し、オールタイムレコードを更新したにもかかわらず、スプリントと決勝で失速しました。我々はこの結果から学び、今週末に繋げたいと考えています。一方でアレックスは良いレースをしており、自信を深めています。セパンは歴史的にヤマハにとって好相性のトラックです。今年初めのウインターテストでも手応えがあり、良い流れを今週末も継続したいと思います」

ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)

「マレーシアに来る前に数日間の休養を取り、リフレッシュできました。今はセパンにいて、最後のフライアウェイ戦に向けて準備万端です。今年初めにここでテストをしましたが、それ以降バイクは大きく変化しています。良い結果を出して、この遠征をポジティブな形で締めくくりたいです。現地のファンの声援も、自分たちの大きな力になります。」

アレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)

「フィリップアイランドでのレースは最高の気分でした。7位フィニッシュは良い結果ですし、今はセパンで自分たちがどこまでやれるか楽しみです。チームと共に確実に前進できていますし、それが何より重要です。今週末もこのセットアップで行きます。できればドライコンディションで多く走って、しっかりデータを集めたいです。そして、その上で何ができるか見てみましょう。」