2025年スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)第2戦ポルティマオラウンド金曜日、現王者トプラック・ラズガットリオグル(ROKiT BMW Motorrad WorldSBK Team)がフリー走行2で圧巻の走りを披露。初日トップタイムを叩き出し、週末の本命としての存在感を強烈にアピールした。

しかし、彼の一日は波乱の幕開けだった。FP1ではM 1000 RRに技術的な問題が発生し、1周も計測できないままセッションを終える事態に。1コーナーでコースアウト後すぐにピットへ戻り、一度は再出走を試みたが、再びバイクを降りて作業に戻る形となり、そのままセッションを欠場した。

チーム代表のショーン・ミューアは当時の状況について、「小さな問題があって、正確な原因はまだ特定できていない。テスト用エンジンからレース用エンジンに戻したが、最後に使用したのはフィリップアイランドのレース2。この問題は電子制御設定に関するもので、エンジン自体に異常はない」と説明。FP2に向けて徹底的に対処した。

その結果、FP2では一転して猛チャージ。セッション序盤から積極的に走行し、1分39秒995を記録。この日唯一の1分39秒台をマークし、2番手ニコロー・ブレガ(Ducati)に0.3秒差をつけて堂々のトップに立った。

さらに注目すべきはそのロングランペース。最初のスティントでは7周を走行し、1分40秒735〜1分41秒081の安定したタイムを記録。続く2本目では序盤の2周で1分39秒台と1分40秒台前半をマークし、9周目まで高いラップタイムを維持した。比較対象のブレガは1分41秒346〜1分40秒767の範囲での走行が中心で、トプラックの総合的なレースペースが一歩リードしていることが浮き彫りとなった。

トプラック・ラズガットリオグル

「FP1で走れなかったのは正直びっくりしました。ただピットで見てるだけでしたね。FP2はすぐにレースシミュレーションを始めて、2種類のタイヤを試しました。最初のスティントでは片方のタイヤで10周、ハーフレース分を走って、次に別のタイヤを試して違いを確認しました。ラップタイムもペースも良かったです。いくつかのコーナーではまだ改善の余地があります。気温が高くなるとバイクのバランスやグリップ、エンジンブレーキの挙動が変わって難しくなります。でもバイクには満足していますし、100%ではないけれど明日はエンジンブレーキとバランスをさらに調整したいです。」

「FP1なんて気にしてません、まだ金曜日です。チームを信じてますし、みんな本当に一生懸命働いてくれてます。自分はただ第2セッションを待っていただけです。走れないのはもちろん嬉しくないですが、みんなベストを尽くしてくれたし、いい仕事ができました。もしFP1から走れていたら、今頃もっと良いセットアップが見つかっていたかもしれないですが、問題ありません。これはテクニカルなスポーツ、こういうことは起こるものです。自分はもう明日のFP3とスーパーポールに集中しています。さらに改善して、いいタイムを出せるよう頑張ります。」

(Photo courtesy of BMW)