クアルタラロ7番手、リンス18番手で作業を終了
モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームは、アラゴンMotoGP公式テストで収穫の多い一日を終えた。ファビオ・クアルタラロとアレックス・リンスは、それぞれ異なる開発項目を評価。クアルタラロが7番手、リンスは18番手で全セッションを走破した。
テストは午前10時から13時までのセッション1と、午後13時20分から18時までのセッション2に分けて実施。両選手は用意されたプログラムを着実にこなした。クアルタラロは新型エンジン仕様と部分的に更新されたカウルをテスト。さらにアラゴンGPの週末データをもとにした新たなセットアップも評価し、ポジティブな感触を得た。
リンスは更新版のエンジンとエアロパーツをテスト。さらにバイクセットアップの調整にも時間を割いた。午前中に41周を走行し、1分47秒366(30周目)をマークして18番手。午後はグリップが急激に向上する状況を避けるため、比較データの一貫性を重視しあえて通常コンディションのまま19周を走行。午後のベストは1分47秒430(16周目)で17番手。総合順位は18番手で締めくくった。なお、T12で小さな転倒があったが、本人に怪我はなかった。
チームはこの後1週間の休養期間を経て、6月20日〜22日に開催されるイタリアGP(ムジェロ)とオランダGP(アッセン)のダブルヘッダーに挑む。

マッシモ・メレガリ
「今回は小規模な更新内容をいくつか試しました。新しいエンジン仕様はアウグスト(フェルナンデス)がレース週末中にテストしたバージョンで、加えて新型のエアロパーツも投入しました。さらに通常のレース週末では時間が取れないシャシーや電子制御のセットアップも検証しました。これらすべてを完璧に試すには時間が足りませんでしたが、ライダーからネガティブなフィードバックが出なければ今後の方向性はこのままで行く考えです。」
「データ面ではエンジンとエアロの改善が確認できました。ライダーの体感はそこまで大きな変化ではなかったかもしれませんが、それでもこの方向性で進めていきます。チームとしては、次戦ムジェロとアッセンに向けた細かい調整作業が中心でした。一方でテストチームとプリマ・プラマック・ヤマハMotoGPは今週バルセロナで2日間のプライベートテストに参加予定です」
ファビオ・クアルタラロ
「新しいエンジンと更新版のエアロを試しました。ムジェロに向けて新型エンジンが少し良い効果をもたらしそうで、これはポジティブです。また、今週末のアラゴンGPで苦労した電子制御面でもいくつか試しました。ただムジェロでは通常のベースセットアップからスタートする予定です。今日はトラックのグリップが非常に高かったので、タイムがかなり出やすい状況でした。タイムアタックをしない連続4周でも予選タイムより速かったです。グリップの差が大きく影響することが良く分かりました。」

アレックス・リンス
「今日は多くの新しいアイテムをテストしました。アラゴンGP中にも使用したスイングアームや、新しいカウル、新しいサイドパネルも評価しました。非常に良い感触でしたし、コーナー中盤では少し良くなっているように思います。全体的にペースも少し向上しました。午後3時以降にグリップが大幅に良くなったことに気付いたので、データ比較が難しくならないようそこで走行をやめました。テストは良い感触で終えることができました。T12で小さな転倒がありましたが問題はありません。ムジェロがどうなるか楽しみにしています。まずは通常のベースセットアップからスタートする予定ですが、今のところテストの結果には満足しています。」