2025年シーズンを圧倒的な強さで制したレッドブルKTMファクトリーレーシングが、2026年ダカールラリーへの出場体制を発表した。FIMワールドラリーレイド選手権(W2RC)を制覇したチームは、来季も最強布陣で「READY TO RACE」の精神を貫く。
ディフェンディングチャンピオンのダニエル・サンダースに加え、安定感を見せるルシアーノ・ベナビデス、そしてRallyGPクラスに初昇格となるエドガー・カネットが出場する。

王者サンダース、連覇に向け万全の準備
2025年シーズンでW2RC全5戦中4勝、そしてダカールラリーではスタートからフィニッシュまで首位を守り切った史上2人目のライダーとなったダニエル・サンダース。オーストラリア人ライダーは最高の状態で、王者としての地位を守るべく新たな挑戦に臨む。
ダニエル・サンダース
「すべて計画通りに進んでいます。バイクのセットアップは変えていないので、とても快適です。モロッコ後も体調は万全で、チームと共に現地でトレーニングを続けており、戦える状態に戻りました。今年勝ったことで当然プレッシャーはありますが、それに向けてしっかり準備しています。チームの状態も良く、自分自身も準備万端です。ダカールは長丁場で毎回違いますが、日々ベストを尽くすだけです。今年の成功でモチベーションは過去最高。1月が待ちきれません。」
ベナビデス、負傷からの完全復活で表彰台を狙う
アルゼンチン出身のルシアーノ・ベナビデスは2025年シーズンを通して堅実な走りを見せ、1月のダカールでは自己最高位の4位を記録。10月のモロッコでのクラッシュにより一時離脱を余儀なくされたが、すでに完全復調し、サウジアラビアでのダカール本番では総合表彰台を目指す。
ルシアーノ・ベナビデス
「モロッコでのクラッシュ後、ダカールに向けた準備は簡単ではありませんでした。毎日少しずつフィットネスを回復させ、早くバイクに戻ることを目標に取り組んできました。怪我を通して自分に100%向き合う時間を持てたのは、ある意味プラスでした。今は再びモロッコでトレーニングとテストができていて、間違いなく本番にはさらに良い状態になると信じています。精神的には厳しい挑戦になるでしょうが、自分自身と向き合い、他のライダーと比較せず、毎日ベストを尽くすことに集中します。それができれば、表彰台にも手が届くと信じています。」
カネット、RallyGPクラスに電撃昇格
2025年のRally2ワールドカップ王者エドガー・カネットは、今大会からトップカテゴリーのRallyGPに昇格。初参戦シーズンからクラス優勝と総合トップ10入りを果たしたスペインの若手が、いよいよ世界最高峰のステージに挑む。
エドガー・カネット
「2026年のダカールに向けて準備万端です!バイクに多くの時間を費やしてきたので、1月に向けて自信を持っています。RallyGPクラスで走れるのは本当にワクワクします。バイクのフィーリングも良く、フィットネス面もかなり努力して仕上げてきました。ダカールは毎日が予測不能ですが、自分には必要なスピードとナビゲーションスキルがあると信じています。2025年のダカールでチームメイトから多くを学び、今回の挑戦に向けてかなり準備が整いました。一日一日を大切に、レースをマネージしながら戦っていきます。素晴らしいチームがサポートしてくれているので、今から楽しみです。」
チーム一丸でタイトル防衛へ
チームマネージャーのアンドレアス・ヘルツルは、モロッコでのトレーニングを通じて全体の最終調整に入っていると語る。
アンドレアス・ヘルツル
「我々はダカールに向けて準備万端です。『チャッキー(サンダース)』は2025年の素晴らしいシーズンを経て、現時点で世界最高のライダーです。今季のマシンセットアップを継続し、王者としてタイトル防衛を狙います。カネットもRallyGPでのレースに非常に意欲的で、Rally2では年間王者としてトップ選手たちと互角に戦ってきました。ルシアーノもモロッコでの負傷から完全に回復し、1月に向けたトレーニングを再開しています。バイクの準備を進めているテクニカルチームも素晴らしい仕事をしており、すべてが順調です。タイトル防衛に向けて、サウジアラビアでの戦いが待ち遠しいです。」
2026年ダカールラリー概要
- 大会期間:2026年1月3日〜17日
- 開催地:サウジアラビア・ヤンブー(紅海沿岸)スタート&ゴール
- 総走行距離:約8,000km(過去最長のスペシャルステージ距離を含む)
- 特徴:西部および中部の新ルートを採用。マラソンステージ2回、1月10日にリヤドで唯一の休息日。エンプティクォーターは今回未使用。
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。