レッドブルKTMファクトリーレーシングでは、ブラッド・ビンダーとペドロ・アコスタが、新任チームマネージャーのアキ・アジョの指揮のもとテストを完了。ビンダーとアコスタは合計134周を走行し、ビンダーは6番手、アコスタは9番手を記録。それぞれ電子制御や空力パーツのテストを行い、改良を模索していた。チームは引き続きファクトリーチームから参戦するブラッド・ビンダーに加え、ルーキーながら2年目でファクトリーチーム入りとなるペドロ・アコスタだ。開発は引き続きダニ・ペドロサ、ポル・エスパルガロも加わり、戦闘力の向上が期待される。

ブラッド・ビンダー

「非常に生産的なテスト計画をこなすことができて、良い一日でした。テスト中にトラブルは一切なく、すべてがスムーズに進行しました。今回の主な目標は、できるだけ多くの情報を収集することでしたが、その目標はしっかり達成できたと思います。今日試した内容の多くは、来シーズンのプロジェクトを前進させるための初期段階のものです。」

「その中には、現時点では小さな改善に見えるものもありますが、今後これらが大きな進歩につながると確信しています。KTMのチーム全体が一丸となって取り組んでおり、これが自分たちにとって大きなアドバンテージです。」

ペドロ・アコスタ

「とても満足のいく一日でした。何の問題もなく順調にテストを進めることができましたし、多くのことを試すことができたため、非常に充実した時間でした。そのため、タイムアタックを行う時間はあまりありませんでしたが、それでも新しいカウルやパーツから良いフィードバックを得ることができました。」

「特に新しいフェアリングは、空力性能の改善が明確に感じられましたし、さらに新しいシートセクションもテストし、快適性と安定性が大きく向上しました。来季に向けてチームが変わったことで、新しい環境に慣れる必要がありますが、ここで得た多くのデータを次回のセパンテストに活かせると思っています。これからのシーズンがとても楽しみですし、チームとともに新たな挑戦をする準備が整いつつあります。」

アキ・アジョ(レッドブルKTMファクトリーレーシング チームマネージャー)

「バルセロナでのテストは、2025年シーズンを始動させるうえで非常に重要な一日でした。今年はチームにいくつかの変更があり、新しい人材やライダーが加わりましたが、チーム全体としての一体感はこれまで通りで、大きな変化はありません。長年にわたり、私たちはまるで家族のような関係を築いてきたため、このプロフェッショナルなグループには安定感があります。 テスト日数が限られているMotoGPでは、一つひとつのテストを有意義に活用することが非常に重要です。」

「今回のテストでは、これまで数カ月間にわたって取り組んできた開発を再確認しつつ、新しい要素もいくつか試しました。具体的には、ブラッドとペドロのコンビがもたらす可能性に大きな期待を寄せています。彼らは現在のパドックにおいて最強のデュオの一つだと確信しています。

また、テック3チームの新しいライダーであるマーベリックとエネアからも新鮮なデータを収集できたことは、このプロジェクト全体にとって大きな助けとなります。彼らのフィードバックは私たちのマシンをさらに改良するための貴重な指針となり、チーム全体のパフォーマンスを押し上げることでしょう。今日の成果を土台として、セパンでの次回テストに向けた準備を進めていきます。」

セバスチャン・リッセ(レッドブルKTM テクニカルマネージャー)

「今回のテストに向けて、チーム体制を少し再編しましたが、これまでにもペドロとの密な連携が取れており、新しいチームメンバーともスムーズに作業を進めることができました。このテストでは、来シーズンに向けた『パズルのピース』を理解するために多くの作業を行いました。その成果を基に、2025年のシーズン用マシンを組み上げていく予定です。」

「テック3チームでは、新しいライダーたちと新しい体制による初テストが行われました。彼らのフィードバックを通じて、我々のマシンや作業方法がどのように受け止められているかを学ぶことができ、とても興味深い時間でした。両ライダーともに我々のマシンに対して非常にポジティブな印象を抱いており、満足している様子でした。」

「特に彼らが改善を望んでいるエリアについては、調整やセットアップの変更によってすぐに対応できる可能性が高いです。また、私たちがすでに計画している開発の方向性とも一致しているため、非常にポジティブなスタートが切れたと感じています。このデータを活用し、冬季休暇中の作業計画をしっかりと立てていきます。次回のセパンテストに向けて強いプランを持って取り組めることに自信を持っています。」

(Photo courtesy of michelin)