アプリリアとの契約交渉は継続も、復帰へ意欲的な姿勢を明言

2025年の「アプリリア・オールスターズイベント」がミサノで開催され、MotoGP世界王者ホルヘ・マルティンが3月のカタールGPでの転倒以来、初めてバイクにまたがった。今回はアプリリアの市販バイクでの走行だったが、ケガからの順調な回復を印象づけた。

アプリリアとの契約をめぐる問題は依然として継続中で、焦点は2026年に向けたパフォーマンス関連の契約解除条項の扱いにある。マルティンはこの条項を行使する意向を示しているが、対話の余地は残されており、完全決裂には至っていない。

ホルヘ・マルティン

「2026年に向けて契約を解除する権利を行使することにしました。ただ、アプリリアとこの条項の有効期間を延ばすことについては、以前から話し合うつもりでいました。復帰後のいくつかのグランプリに限って延長し、その中でお互いにもう一度信頼関係を築けるかどうかを見極めるのが良いと考えています。」

「言うべきことはお互いに伝え合いましたし、この状況は自然と何らかの形で落ち着いていくと思っています。今は少し難しい時期ですが、少しずつ回復の兆しは見えてきました。サマーブレイク前にテストを行う予定です。ただ、レースに戻るのは100%の状態になってからです。」

MotoGPマシン(RS-GP)での復帰は、現在のレギュレーションによって可能となっているプライベートテスト形式で行われる予定。MotoGPのサマーブレイクは7月20日のブルノGP終了後に入る見込みで、それまでの期間にマルティンの走行が実現する見通しだ。

一方、アプリリアは現在、マルティンのチームメイトであるマルコ・ベッツェッキが前戦シルバーストーンで今季初優勝を挙げるなど、戦闘力の高さを維持している。とはいえ、シルバーストーンは高速トラックでアプリリアとの相性が良いコースでもあった。チームのエースであるマルティンの去就は、2026年以降の体制に大きく影響するテーマであり、今後の行方から目が離せないと言える。