2025年FIMスーパーバイク世界選手権(WorldSBK)の最終戦が10月17〜19日にスペイン・ヘレス・サーキットで開催される。ピレリはこのスペインラウンドに、前週のエストリルラウンドで導入された最新のデベロップメントスペックタイヤを継続投入し、シーズン全体の技術的成果を評価するとしている。

フロントタイヤ:SC1デベロップメントスペックE0672を引き続き採用

WSBKクラスでは、フロントタイヤとして以下の3種類が提供される:

  • SC2(ハード)
  • SC1(ミディアム・スタンダード)
  • SC1デベロップメントスペック E0672

E0672は先週のエストリルでデビューし、ブレーキングとコーナー進入時の安定性を高める新構造が高く評価され、多くのライダーに選ばれた。ヘレスはフロント荷重の大きいサーキットであることから、E0672の真価が試される場となる。

リアタイヤ:SCX・SCQのデベロップメントスペックを含む3種を準備

リアには以下の3種が用意される:

  • SC0(ソフト・最も耐摩耗性が高い)
  • SCXデベロップメントスペック E0126(スーパーソフト)
  • SCQデベロップメントスペック E0479(エクストラソフト・予選およびスーパーポールレース専用)

E0126は今季複数戦で高い使用率を記録しており、ヘレスの路面特性にも適応すると判断。E0479はミサノなどでも好評を得ており、フリープラクティス、予選、スーパーポールレース限定で投入される。路面温度が高ければ、さらなるデータ収集が可能とされる。

WSSPもエストリルと同様の構成で参戦

WorldSSPクラスについても、先週のポルトガルラウンドと同一のタイヤ構成が継続される:

  • フロント:SC1、SC2
  • リア:SCX、SC0

出力が低く荷重変化の少ないWSSPにおいても、SCXとSC0の使い分けがレースの鍵となる。

ピレリ モーターサイクル・レーシングディレクター ジョルジオ・バルビエ

「今季は特にリアタイヤの構造を中心に多数の開発を行い、E0125やE0126といったスペックが導入されたことで、貴重なデータを収集できました。今回のヘレスラウンドでは、これらの成果を検証する最終機会と位置付けています。エストリルで好評を博したE0672(フロント)も継続して評価を進めます。SC1ベースのこの新構造は、ブレーキングとコーナー進入の安定性を向上させる狙いがありますが、よりフロント依存度の高いヘレスでの挙動は重要な試金石です。SCQのE0479についても、路面温度が高ければその性能を再検証できる機会となるでしょう。」

WorldSBKタイヤ構成(ヘレスラウンド):

  • フロント
  • SC2(ハード)
  • SC1(スタンダード)
  • SC1デベロップメントスペック E0672
  • リア
  • SC0(ソフト・高耐摩耗)
  • SCXデベロップメントスペック E0126(スーパーソフト)
  • SCQデベロップメントスペック E0479(エクストラソフト・FP/予選/SPR限定)

WorldSSPタイヤ構成(ヘレスラウンド):

  • フロント: SC1、SC2
  • リア: SCX、SC0