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★MotoGP2017スズキ 河内健氏「早い段階でタイトル争いに参加したい」

スズキの河内健氏が今週末のMotoGP開幕に先駆けて、GSX-RRの開発、2人の新しいライダー、プレシーズンテスト、そして2017年シーズンについて語っています。

チームスズキECSTARのテクニカルマネージャーである河内健が、冬期におけるGSX-RRの開発、プレシーズンテスト、そして彼の2017年への期待について語っている。

河内健

「この新しいシーズンは、チームスズキECSTARの全員にとって、非常にエキサイティングなものとなります。今年は両ライダーを入れ替えましたので、数シーズンはスタートからやり直すという事になります。単にバイクの開発に集中するのではなく、ライダー達のライディングスタイルにこれをあわせていくということも必要になります。そして彼らのライディングスタイルは今までのライダー達とは異なります。つまり我々の開発における全ての工程の参照ポイントを、ダブルチェックするということになります。」

「冬の間に行った作業に関しては非常に満足していると言えます。ライダー達に評価された多くの開発内容をもたらす事が出来ました。2015年にレースに復帰した時からのスズキのフィロソフィーは、マシンを完全に設計し直すことではなく、ステップ・バイ・ステップでパフォーマンスをアップするというものでした。昨年の後、我々の強みはシャーシのアジリティー(敏捷性)とコーナーの中での効率良く曲がれるということだとわかりました。また、ここにシームレスギアボックスが加わって大きく前進しました。ですから、こうした利点を完全に新規のプロジェクトで無駄にしたくないんです。実際マレーシアのテスト初日の後、既に深夜でしたがアンドレアのマシンに関するフィードバックを聞こうとしていたんです。彼は時間をかけて、我々が作業をすべき点について説明してくれました。彼は喜んで満足しているように見えましたが、多くの改善点を指摘してくれました。その為、彼がうちのバイクを気に入っているのか気になっていたんです。ただその後1時間以上彼の話を聞いていると、彼は私を見ていったんです。”でも勘違いして欲しくないんだけど、ベースは最高だよ。だからお願いだからベースは何も変えないで欲しい。こことあそこを仕上げて欲しいんだ。”と。ホッとしましたよ。」

「我々MotoGPチームと浜松の開発チームは、この冬に新しいライダー達に最高のマシンを提供するため本当にハードに働きました。エンジンパワーをさらに上げる必要があるのはわかっています。ライダー達が十分なパワーを持っていた事はありませんから。ただ、なんとしてもエンジンの操縦性の高さは維持したいんです。もしパワーデリバリーがコントロール出来るものであれば、どれだけ馬力があっても意味がありません。これはスズキのブランドのフィロソフィーでもありますし、我々も強くそう信じています。新しいエンジンスペックは良い性能が出ていますし、ライダー達も気に入っているようです。ですから前進出来たと言えるでしょう。もう1つ重要な開発の局面でいうとトラクションですね。ですから数種類のスペックのシャーシとスイングアームに関して作業を進めています。これはサスペンションも同時に作業をしています。9日間のテストの後、ライダー達もこの改善の効果を感じており嬉しいですね。まだ満足はしていません。まだ若干のトラブルがあるんです。しかし我々が発見した方向性がそれに見合った結果をもたらしてくれることを期待しています。」

「開発の面から言うと、ここまで異なるライダー達を迎えるということは非常に興味深いですね。アンドレアは経験を積んだMotoGPライダーで、彼は高いパフォーマンスを持ったマシンに乗った経験から話す事が出来ます。ただ同時にアレックスのコメントを聞くのも興味深いですね。彼はMotoGPマシンを乗った事がありませんから、彼とともにスクラッチブックを作っているような感じですね。彼のコメントはアンドレアほどシャープではないかもしれませんが、彼らはフレッシュで、我々に違う角度から考えさせてくれます。エキサイティングなチャレンジですし、こうしたポジティブな環境がガレージ内にある事を嬉しく思います。ライダー同時もよく話し合っていますし、クルー達もデータや情報を交換しています。そしてこういった事が、パドックに2台だけのファクトリーGSX-RRの開発をスピードアップする上で重要なんです。」

「ウインターテストを振り返ると、多くの面で改善し、前進出来たことを嬉しく思っています。ライダー達も改善内容を感じていますし、開発プロセスもスムーズに進みました。アンドレアとアレックスはチームにポジティブな熱意をチームにもたらしてくれましたし、ポジティブな結果を期待出来ます。昨年の表彰台以降、我々はコンセッションを失いました。そして今年からはライバル達と同じ条件での戦いとなります。これは私にとってはエキサイティングな事ですし、さらに表彰台を獲得して、早い段階でタイトル争いがしたいですね。」

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