土曜の走行で、NTS RW Racing GPは懸案だった課題を克服する方向性を見いだしました。しかし、限られた時間のなかでは充分な対応をとることがかなわず、ボ・ベンスナイダーは地元コースのホームGPを23番手という位置から迎えることになりました。チームメイトのスティーヴン・オデンダールの予選結果は28番手でした。
戦いの舞台であるTTサーキットアッセンは、NTS RW Racing GPのホームコースです。それだけに、チーム全員が高い意欲とモチベーションで今回のレースウィークに臨んでいます。しかし、Moto2は激戦クラスだけあって、土曜の予選は一筋縄ではいきませんでした。
チームはベンスナイダー、オデンダール両選手に対し、彼らが乗りやすくなる最適の状態にマシンを仕上げようと努力しましたが、バイクのセットアップには、ひとつの項目を改良すれば別のポイントの良さが損なわれてしまうというトレードオフが少なからずあり、土曜のセッションではその落としどころや妥協点を見つける難しさに悩まされました。
たとえば、ベンスナイダーは金曜日にリア回りに課題を抱えていましたが、その部分を改善すると、今度はフロントに問題が発生してしまうのです。それでも少しずつ前進を遂げましたが、予選Q1でのタイムは1分38秒103。オデンダールは1分38秒967で、ともにQ2への進出を逃してしまいました。それぞれ23番グリッドと28番グリッドからのスタートで、明日の決勝レースでは、ポイント獲得を目指して一気に巻き返しを狙います。オランダGPのMoto2クラス決勝レースは現地時間午後12時20分(日本時間午後7時20分)にスタート。全24周で争われます。
ボ・ベンスナイダー選手コメント
(予選23番手:1分38秒103)
「昨日と比べれば今日は前進をできたけれども、ライバル陣営よりも少し出遅れてしまった感もあり、ラップタイムを充分に詰めることができなかった。金曜の走行後には問題を特定できたと思っていたけれども、今日になって実は別のところから来ていることがわかってきたんだ。バイクのセットアップは落としどころを定めるのが難しく、解決できたと思っても実際はそうじゃなかった、ということがときどき発生するんだ。とはいえ、レースペースは悪くないのは好材料だ。明日の決勝は、トップテンを狙うのは現状では難しいかもしれないけど、序盤に順位を上げてうまく乗りきることができれば、ポイント圏内を狙うことは充分に可能だと考えている。全力で戦うよ」
スティーヴン・オデンダール選手コメント
(予選28番手:1分38秒967)
「問題点の解決を目指して、全員で一丸となって取り組んでいるけど、まだ完璧なソリューションの発見には至っていない。バイクのセットアップについては色々と試していて、フィーリングは昨日と今日では異なっているけれども、ラップタイムで見ると大きな違いはない。どちらのセットアップで明日の決勝に臨むか、皆で充分に話し合って万全の形で備えを進めたいと思う。マシンの安定性、旋回性、加速性能などの基本的な機能は安定して高いレベル。ただしアッセンTTならではのコース攻略が今一つ見えてこない状態なんだ。今回の予選結果は凄く残念。レース本戦では1周の速さも大きな武器になるけれど、それ以上にハイレベルな駆け引きや激しい競り合いの激戦になるので、その戦いの中で活路を見出していきたいと思ってるよ」
(Source: NTS)
(Photo courtesy of NTS)