ミシュランはヨーロッパ大陸に分かれを告げ、アジアラウンドのタイ、ブリーラムへと向かいます。チャーン・インターナショナル・サーキットは、PTTタイGPはこの先5週間における連戦の1戦目となります。
タイは今シーズンの15戦目となり、日本、オーストラリア、マレーシアの前に行われます。この時期はロジスティクス面でもレース面でも、MotoGPパドックにとって忙しい時期となります。ミシュランは既に航空便と船便でタイヤの手配を終えていますが、ミシュランのタイヤは気温コントロールを施されたコンテナで配送されるため、サーキットに最適なコンディションで到着します。
連戦前の1戦はミシュランにとって試金石となる1戦です。チャーン・インターナショナル・サーキットは全長4,554mの特殊な作りのサーキットで、ターン数は12。ロングストレートによってリアタイヤの温度が非常に高くなるため、特殊なリアタイヤが必要とされ、タイヤ右側がハードとなった左右非対称デザインのリアタイヤは、ソフト、ミディアム、ハードが用意されます。
今回投入される MICHELIN Power Slickに関しては、オーストリアのレッドブル・リンクを除いて、今までのラウンドのタイヤと異なる構造をしています。レッドブル・リンクとチャーン・インターナショナル・サーキットは、タイヤに蓄積する熱をコントロールしつつ、ライダー達にグリップとコントロール性能を提供するため、いずれも良く似たタイヤを使用。
今回使用されるリアタイヤはオーバーヒートを避けつつ、性能低下を避けたタイヤとなります。この特殊なリアタイヤに組み合わされるフロントのMICHELIN Power Slickは左右対称デザインで、ソフト、ミディアム、ハードとなり、コンパウンドに関しては昨年のレースデータから選択されたものです。
タイ北東部のイーサーン地方に位置するチャーン・インターナショナル・サーキットに、ミシュランとMotoGPは年間の中で気温が低いとされる時期に訪れます。しかし平均気温は30℃を超えており、その他のサーキットにおいて低いとされる気温を遥かに上回ります。タイでは8月終わりから10月半ばまでは雨季にあたり、雨に見舞われる可能性は非常に高いと言えるでしょう。
そのため、MICHELIN Power Rainの出番も多いことが予想されます。MICHELIN Power Rainはソフト、ミディアムが用意され、これは前後ともに共通。フロントは左右対称、リアに関してはミディアムのみ、タイヤ右側をハードよりとした左右非対称設計となります。
ミシュランにとってアジア4連戦の最初のラウンドとなるタイGPは、4日金曜から練習走行が開始。土曜には練習走行、そして日曜の決勝レースのグリッドを決定する予選が行われます。決勝は6日日曜日の現地時間14時に開始となり、周回数は26周です。
2輪モータースポーツグループ・マネージャー:ピエロ・タラマッソ
「昨年のレース、テストに続いてブリーラムを訪れるのはこれで3回目です。訪れるごとに学びがあり、次回に備えて変更を加えています。リヤタイヤにとっては非常に厳しいサーキットでタイヤの温度が非常に高くなってしまいます。そのため、ここでは特別な構造を持ったタイヤを使用しているんですが、これは今年オーストリアでも使用したものです。」
「昨年、この時期のタイは時期気温が低く雨が多いと聞いていましたが、実際は暑くドライコンディションが続きました。ですので、こうした幅広いコンディションに対応出来るタイヤを今回投入しています。昨年のブリーラムは多くのお客さんが訪れた素晴らしいイベントで、今年も同様に素晴らしいイベントになると思いますし、ミシュランがファンに素晴らしいレースを提供する上で重要な役割を果たすでしょう。」
(Source: michelin)
(Photo courtesy of michelin)