FIMはアンドレア・イアンノーネの公聴会の日時を2月4日に決定した。これに向けてイアンノーネは、彼の身の潔白を証明してくれる人々のリストを今月の31日まで準備することとなる。なお、レギュラーライダーのセパンテストは2月7日から開始となる。

国際規律法廷(CDI)が開催する公聴会の日時は2月4日

これまでの流れを整理すると、マレーシアGPで採取されたアンドレア・イアンノーネの尿から筋肉増強剤であるアナボリックステロイドの陽性反応が出たため、FIMはアンドレア・イアンノーネの資格を暫定的に停止した。

アンドレア・イアンノーネはその後マレーシアGPで採取された別のサンプル(サンプルB)のテストを要請、しかしこのサンプルBからも陽性反応が検出されていた。

アンドレア・イアンノーネはその後、国際規律法廷(CDI)に対して書面で抗議、国際規律法廷(CDI)が2月4日開催する公聴会で身の潔白を証明する機会を得たというわけだ。

アンドレア・イアンノーネ

公聴会の結果発表は公聴会終了から45日以内

FIMアンチ・ドーピング規程によると、国際規律法廷(CDI)が開催する公聴会の結果発表は45日以内に書面において公表されることになっており、公表に本当にそこまでの時間がかかる場合、アンドレア・イアンノーネは3月6日からの開幕戦カタールGPに参戦出来なくなる。

セパンテストは2月2日から3日間のシェイクダウンでテストライダー、コンセッションチームが参加2月7日から公式テストが開催されるが、アンドレア・イアンノーネは2月4日に開催される公聴会に出席、結果を待たずそのままセパンへと飛び、資格停止が解除され、2月7日のテストに参加出来る可能性に賭けるようだ。

公聴会の結果でドーピング疑惑が晴れない場合

2月4日の公聴会でアンドレア・イアンノーネのドーピング疑惑が晴れない場合、アンドレア・イアンノーネは最後の手段としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えることが出来るが、この場合も判決が下されるまで資格停止処分は続く。2020年の開幕戦カタールGPへの出場は非常に難しいだろう。

なお、スポーツ仲裁裁判所(CAS)を利用してもドーピング疑惑が晴れない場合、アンドレア・イアンノーネは2020年に参戦出来ないだけでなく、4年間の資格停止の可能性がある。現在30歳のイアンノーネにとって4年間の資格停止は実質的には選手生命の終わりを意味する。
ブラッドリー・スミス

最悪の場合、イアンノーネ代役はブラッドリー・スミス

もしイアンノーネがドーピング疑惑によって資格停止となった場合、アプリリアは既に契約があるテストライダーのブラッドリー・スミスをレギュラーライダーに格上げするはずだ。

この時期になって新たにライダーと契約を纏めるのは至難の技であること、アプリリアはセパンテストで完全新型となるRS-GPを投入することからも、アンドレア・イアンノーネの代役はRS-GPを深く理解しているライダーである必要があるためだ。

アプリリアのWSBKで活躍したロレンソ・サヴァドーリも今回のセパンテストに参加予定だが、これはイアンノーネが資格停止となった場合、レギュラーライダーに格上げとなるスミスに変わり今後のテストライダーを勤める可能が高いための布石だろう。

まずは2月4日の公聴会、そしてレギュラーライダーでのテスト開始となる2月7日までに公聴会の結果が出るかどうかに注目だ。

(Photo courtesy of michelin)