ドルナ・スポーツCEOのカルメロ・エスペレーターは、中止となった3戦について無観客でのレース開始が難しかったことも中止の判断に影響したと語る。また、シーズン開幕については7月末、MotoGPクラスのチームが帯同出来る最大人数は40名など具体的な方針を示した。

中止とした3戦は無観客レースも難しかった

カルメロ・エスペレーター

「今回残念ながら中止となったドイツGP、オランダGP、フィンランドGPは、そもそも無観客での興行が難しいレースです。ですから地元プロモーターと共に来年に延期することを決定したんです。」

「オランダに関しては政府が8月末までイベントの禁止を決定した為、そもそも開催が不可能でした。色々と検討しましたが、オランダGPに関しては8月以降のレース開催も、無観客でのレースも難しかったのです。今後に関してレースを観客と共に開催するのは難しいでしょう。しかし我々には素晴らしいオンライン放映の仕組みがあります。」

7月末開催で11月まで同じサーキットで2週連続でレースを行う計画

現在のプランとしては7月末にレースを開催し11月までレースを行うというものですが、場所、そして具体的な日付についてはまだ未定です。最悪の想定としてヨーロッパ外での開催が難しい場合でも、7月末から11月にかけて10回から12回のレースを開催したいと思っています。この数のレースを実現するためには、同じサーキットで2週間連続でレースをすることを検討しています。

全スタッフに感染テストを実施する

レース開催に向けては、レースに関わる全員が自宅を離れる前、サーキット到着時、再び自宅に戻った際にテストを受けます。ドルナの親会社にあたるBridgepoint傘下の別企業に10,000を超えるテストキットの協力を要請しています。今ドルナが行っているのは、どうしたら無観客で限られた人数でレースが開催出来るのかの手順を作成することです。これは異なる状況、輸送面、宿泊面、ホスピタリティー面についても同様です。」

MotoGPファクトリーチームは40名、サテライトは25名

MotoGPクラスに参戦するファクトリーチームのパドックにおける最大許容人数は40名、サテライトチームは25名、Moto2チームは20名、Moto3チームは15名となります。これにドルナのTVスタッフ、レース運営に関わるスタッフなどを合わせて、総勢1,600名前後が最小人数ということになります。現時点ではメディア、TV局は想定しておらず、数名のカメラマンが写真を提供することになるでしょう。」

移動は車で、SBK再開の可能性も

移動については車による移動を考えていますが、おそらく7月末には様々な安全策を講じて、ヨーロッパ内ならば飛行機による移動が可能になるのではないかと考えています。FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)もMotoGPとレース開催のサーキットが共通することが多いことから、MotoGPを開催した直後の週にSBKのレースを開催することも可能かもしれません。」

(Photo courtesy of michelin)