今回は赤旗中断さえなければ、優勝はほぼ間違いなしという状態だったジョアン・ミル。ルール上、赤旗中断時はタイヤ交換が許されるというのも妙なルールだが、そもそもミルはこの時点で新品タイヤがなく、新品のソフトタイヤを履いてレース2をスタートしたジャック・ミラーと戦うのは難しい状況だった。さらに最終ラップの最終コーナーでは、トラックリミットを超えたポル・エスパルガロに1ポジション降格のペナルティーが適用されず、ジョアン・ミルは悔しい4位となった。
単独走行でトラックリミットを超えた場合、バトル中にやむなく押し出された場合で判断が異なるという判断なのかもしれないが、そうなのであれば、ルール上明確にしておくべきだろう。今までもこうしたことは度々あったが、2020年のレースは、レースディレクションの判断に疑問がつくレースが多いと言える。
ミサノでは再び優勝を狙っていく
ジョアン・ミル
「今日は運がなかったと思いますが、ポジティブだったのは確かにスピードがあったことです。今日は優勝出来る可能性があったレースでしたが、赤旗中断後は履き替えが可能な新品タイヤがなかったんです。ミサノでは再び優勝を狙っていきたいと思います。」
「ポル・エスパルガロがペナルティーを受けないという判断に本当に頭に来ています。今回のケースではポル・エスパルガロは最後の2つのコーナーでトラックのイン側を走行しており、さらに最後にジャックにインを刺された際は、トラックリミットを超えた場所で加速を続けていました。」
「あのスピードでコーナーに突っ込めば、曲がりきれずにワイドになるのは当然です。彼はコースアウトしてグリーンに乗り上げ、そして加速しているんです。あれがグラベルだったらどうでしょうか?セーフティーのためにグラベルではなくトラックの外側がグリーンにペイントされているわけです。」
「彼の走行がペナルティー対象にならないのは全くもって不可解です。ポル・エスパルガロはあの瞬間で全力を尽くして走行したわけですから、彼に対してなにか悪く言いたいわけではありません。実際、彼のレースは素晴らしい内容でした。自分が頭に来ているのはレースディレクションの一貫性のない判断についてです。」
ダヴィデ・ブリビオ
「ジョアン・ミルは4位で完走しましたが、この結果は素直に喜ぶことは出来ません。ルールには最終ラップでトラックリミットを超えた場合、そして特にそれによってメリットを得ていた場合、1ポジション降格と明記してあるんです。ポル・エスパルガロがコースアウトした場所がグラベルだったら、彼はコースアウト前にブレーキをかけていたでしょうし、ミルが彼を抜いていたはずです。」
(Source: suzuki-racing)
(Photo courtesy of suzuki-racing)