中上 貴晶のポールポジションは、ホンダとして2020年初めて、LCRとしてはカル・クラッチローの2018年ヘレス以来、日本人としては2004年の玉田誠以来となるポールポジションとなった。しかし本人は優勝を意識する前に表彰台獲得を考えたいと語る。チャンピオンシップについても意識せず、レースに集中していきたいという。中上 貴晶

1列目が獲得出来れば良いと思っていた

中上 貴晶

最高の気分ですね。ポールポジションを獲得出来ると思っていなくて、1列目が獲得できれば良いと思っていました。最後のアタックで47秒を下回る素晴らしいタイムがでました。バイクのフィーリングも素晴らしいです。チームに感謝したいですね。パルクフェルメで1番手というのは本当に誇らしいですね。日曜もこの調子でレースをしたいです。」

先週からセッティングは変えていない

レースバイクに関しては先週から何も変更しておらず、その内容でFP1のペースは非常に良くて、これはある意味驚きでした。リアを金曜にミディアムにしていますが、ソフトでも良いタイムで走行出来ています。まだどちらのタイヤでレースをするか決めていませんが、ペースが良いのが一番良いことですね。フランコとリンスは序盤からスピードがありますから、良いスタートを決めて逃げていきたいですね。」

「とは言え、初めてのポールポジションですし、契約更新も発表したあとですから、ストレスなくレースに挑むことが出来ます。楽しみたいと思います。日曜にベストを尽くしたいと思います。結果はついてくると思います。

「理由はわかりませんが、今回はFP1からバイクのフィーリングが最高なんです。先週のレースを終えた時点からセッティングもそのままです。金曜は出来るだけコンスタントに走行を重ねようと思っていたんです。先週はソフトを履いて、レース終盤ではコンスタントに走行することが出来なかったんです。ですから、この部分を改善するために金曜を使っていました。

土曜はトラクションコントロールに変更を加えて、トルクの改善が見られました。明日に向けて良いレースが出来ると思います。戦略はありますが、言いたくはありません。とにかく良いスタートから自分のペースで走行したいですね。練習走行同様に結果を来にせず、プレッシャーを感じずに走りたいと思います。
中上 貴晶

チャンピオンシップ争いは考えていない

「チャンピオンシップでは現在5位ですし、ジョアン・ミルから離されてもいません。しかしチャンピオンシップ争いに関しては正直考えていません。もちろんシーズンの終わりにはそれが重要ですが、今は残りの4戦に集中しているんです。自分はまだ表彰台を獲得出来ていません。ですから、自分にとって表彰台獲得が最優先です。」

「通常はレースのあともチャンピオンシップ順位をチェックすることはありません。明日は表彰台を獲得ができれば嬉しいですし、100%集中してレースをしていきます。」

「チャンピオンシップ争いの中にいるのは確かですが、今考えているのは週末を通じて、日曜にしっかりとパフォーマンスを発揮することです。多くのライダーがトップ10でレースを完走していることを口にしますが、他のライダーのコメントは全く気にしていませんし、完全に自分の仕事に集中しています。」

「ポールスタートが出来るのは良いことです。今回はFP1からトップタイムを出すことではなく、先週よりも常に少し速いタイムを記録出来るように走行しました。FP4、予選でも悪くないと思います。とは言え、先週よりも更に改善をしていく必要があるでしょう。」
中上 貴晶

ターン1時点で1位ならレースは簡単になる

「戦略はある程度考えていて、明日もし良いスタートからホールショットを奪うことが出来ればレースは簡単になるでしょう。しかしフランコやアレックス・リンスの後ろになるようであれば、タイヤをセーブしながら走行することになるでしょう。23周と長いレースですから、レース終盤にはいかなるコンパウンドであってもペースを維持するのは難しくなるでしょう。」

「とは言え、レースでは戦略を考えすぎるのではなく、スムーズに走行することを考えていきます。あとはレースに向けて先週とは異なるマッピングを用意していきたいと思います。序盤が重要になりますが、最後までしっかりとペースを維持することが重要でしょう。」

「金曜の走行はある意味ゾーンに入っていたと言えると思いますが、明日もチャンピオンシップや優勝、表彰台のことはあまり意識せずに走行していきたいと思います。とにかくリラックスしてレースを楽しみたいと思います。このトラックは大好きですし、ホンダのバイクにもしっかりと合っていると思います。2連戦でバイクのフロントエンドのフィーリングも改善しています。これがコンスタントなリズムの要因でしょうね。」

「16年前の日本人ポールが玉田さんと聞きましたが、ずいぶん昔のことですね。玉田さんとは仲良くさせてもらっていますが、彼は常に表彰台争いをしていた印象です。こうしてポールポジションを獲得出来たことは誇らしいですし、次はレース優勝ですね。」

(Source: HRC)

(Photo courtesy of michelin)