- ジョナサン・レイが新しい予選ソリューションでエストリルサーキットにおける新記録を達成し、Z0628デベロップメント・ソリューションはレースで最も使用されたフロントタイヤとなった。
- スコット・レディングがドゥカティでレース1を制し、スティーブン・オデンダールがWorldSSPで今季3勝目を挙げた。
アラゴンでのレースから1週間も経たないうちに、ガエルネ・エストリルラウンドの初日のレースが開催された。FIM スーパーバイク世界選手権(SBK)の第2戦は、ポルトガルのエストリルサーキットで開催され、WorldSBKとWorldSSPのカテゴリーのみが開催された。
ピレリ(Pirelli)は、このサーキットでも、新しい予選用タイヤの優れた性能を確認。新しい予選タイヤによって、2020年のスーパーポールでトプラック・ラズガトリオグルが記録した1分36秒154というコースレコードを、ジョナサン・レイ、スコット・レディング、アレックス・ロウズの3人のライダーがうち破っている。その中でのベストタイムは、ポールポジションを獲得したジョナサン・レイが記録した1分35秒876でだった。
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WorldSBKレース1では、3つのメーカーがコンマ9秒以内で表彰台に上り、ピレリのスーパーバイク用タイヤであるDIABLOの多様性と適応性を証明した。スコット・レディング(ARUBA.IT Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)は、リアにスーパーソフトのSCXを装着して優勝し、トプラック・ラズガトリオグル(Pata Yamaha with BRIXX WorldSBK / Yamaha YZF R1)は2位に入り、3位には世界チャンピオンのジョナサン・レイ(Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)が入った。
WorldSSPクラスでも、波乱と驚きに満ちたレースが展開された。スティーブン・オデンダール(Evan Bros. WorldSSP Yamaha Team / Yamaha YZF R6)が2021年の3連覇を達成し、2位にフィリップ・エッテル(Kawasaki Puccetti Racing / Kawasaki ZX-6R)、3位にジュール・クルーゼル(GMT94 Yamaha / Yamaha YZF R6)が入っている。
WorldSBKカテゴリーのライダーの多くは、リアのソリューションとしてスーパーソフトのSCXソリューション(オプションA)を使用、残りのライダーはソフトのSC0ソリューション(オプションB)を使用した。フロントは、ほとんどのライダーがZ0628の開発用ソリューション(オプションC)を選択している。
WorldSBKレース1
2番グリッドから好スタートを切ったスコット・レディング(ARUBA.IT Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)は、序盤でレースをリード、2位のトプラック・ラズガトリオグル(Pata Yamaha with BRIXX WorldSBK / Yamaha YZF R1)、3位のジョナサン・レイ(Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)、4位のマイケル・ルーベン・リナルディ(ARUBA.IT Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)を引き離した。
レース後半になると、現世界チャンピオンのジョナサン・レイが素晴らしいペースで、ラズガトリオグルとレディングの差を縮め、18位からスタートしたアルバロ・バウティスタ(Team HRC / Honda CBR1000 RR-R)は、マイケル・ファン・デル・マーク(BMW Motorrad WorldSBK Team / BMW M 1000 RR)に次ぐ8位まで順位を上げる。
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終盤には、3メーカーが表彰台を目指して激しいバトルを繰り広げる展開となった。スコット・レディングは、トプラック・ラズガトリオグルの攻撃を巧みにかわし、レディングが1位、ラズガトリオグルが2位、レイが3位となった。
WorldSBK レース1 結果
S. Redding (ARUBA.IT Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)
T. Razgatlioglu (Pata Yamaha with BRIXX WorldSBK / Yamaha YZF R1)
J. Rea (Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)
G. Gerloff (GRT Yamaha WorldSBK Team / Yamaha YZF R1)
M. Rinaldi (ARUBA.IT Racing – Ducati / Ducati Panigale V4 R)
C. Davies (Team GOELEVEN / Ducati Panigale V4 R)
M. van der Mark (BMW Motorrad WorldSBK Team / BMW M 1000 RR)
Á. Bautista (Team HRC / Honda CBR1000 RR-R)
T. Rabat (Barni Racing Team / Ducati Panigale V4 R)
A. Locatelli (Pata Yamaha with BRIXX WorldSBK / Yamaha YZF R1)
A. Bassani (Motocorsa Racing / Ducati Panigale V4 R)
L. Haslam (Team HRC / Honda CBR1000 RR-R)
L. Mahias (Kawasaki Puccetti Racing / Kawasaki ZX-10RR)
T. Sykes (BMW Motorrad WorldSBK Team / BMW M 1000 RR)
K. Nozane (GRT Yamaha WorldSBK Team / Yamaha YZF R1)
J. Folger (Bonovo MGM Racing / BMW M 1000 RR)
I. Viñales (ORELAC Racing VERDNATURA / Kawasaki ZX-10RR)
E. Laverty (RC Squadra Corse / BMW M 1000 RR)
A. Lowes (Kawasaki Racing Team WorldSBK / Kawasaki ZX-10RR)
L. Cresson (TPR Team Pedercini Racing / Kawasaki ZX-10RR)
RT. S. Cavalieri (TPR Team Pedercini Racing / Kawasaki ZX-10RR)
RT. C. Ponsson (Alstare Yamaha / Yamaha YZF R1)
WorldSSP レース1
スタートで優位に立ったのは、スティーブン・オデンダール(Evan Bros. WorldSSP Yamaha Team / Yamaha YZF R6)で、フィリップ・エッテル(Kawasaki Puccetti Racing / Kawasaki ZX-6R)を抑えてレースをリード、ポールポジションのフェデリコ・カリカスロ(GMT94 Yamaha / Yamaha YZF R6)が3位で続く。ピットレーンからのスタートを余儀なくされたニキ・トゥーリ(MVアグスタ・コルセ・クリエンティ/MVアグスタF3 675)は、優れたペースで追い上げ、11位で完走。最終的にはオデンダールが優勝、2位にエッテル、3位にフランス人のジュール・クルーゼルが入った。
WorldSSP Race 1結果
S. Odendaal (Evan Bros. WorldSSP Yamaha Team / Yamaha YZF R6)
P. Oettl (Kawasaki Puccetti Racing / Kawasaki ZX-6R)
J. Cluzel (GMT94 Yamaha / Yamaha YZF R6)
D. Aegerter (Ten Kate Racing Yamaha / Yamaha YZF R6)
M. Gonzalez (Yamaha ParkinGo Team / Yamaha YZF R6)
R. De Rosa (Orelac Racing VerdNatura / Kawasaki ZX-6R)
L. Bernardi (CM Racing / Yamaha YZF R6)
H. Soomer (Kallio Racing / Yamaha YZF R6)
R. Krummenacher (EAB Racing Team / Yamaha YZF R6)
C. Bergman (Wójcik Racing Team / Yamaha YZF R6)
N. Tuuli (MV Agusta Corse Clienti / MV Agusta F3 675)
F. Caricasulo (GMT94 Yamaha / Yamaha YZF R6)
M. Alcoba (Yamaha MS Racing / Yamaha YZF R6)
S. Frossard (Moto Team Jura Vitesse / Yamaha YZF R6)
D. Pizzoli (VFT Racing / Yamaha YZF R6)
M. Fabrizio (G.A.P. MOTOZOO Racing by Puccetti / Kawasaki ZX-6R)
L. Taccini (Orelac Racing VerdNatura / Kawasaki ZX-6R)
V. Takala (Kallio Racing / Yamaha YZF R6)
M. Herrera (Biblion Iberica Yamaha Motoxracing / Yamaha YZF R6)
H. Pratama (Ten Kate Racing Yamaha / Yamaha YZF R6)
L. Montella (Chiodo Moto Racing / Yamaha YZF R6)
E. McManus (WRP Wepol Racing / Yamaha YZF R6)
P. Szkopek (Yamaha MS Racing / Yamaha YZF R6)
S. Kawasaki (G.A.P. MOTOZOO Racing by Puccetti / Kawasaki ZX-6R)
RT. C. Oncu (Kawasaki Puccetti Racing / Kawasaki ZX-6R)
RT. K. Manfredi (Altogo Racing Team / Yamaha YZF R6)
RT. F. Fuligni (VFT Racing / Yamaha YZF R6)
WorldSBKレース1とWorldSSP レース1でライダーが選んだピレリのソリューション
WorldSBKでは、最も使用されたフロントソリューションは、ソフトコンパウンドのZ0628デベロップメント・ソリューション(オプションC)で、9人のライダーがこのタイヤを選択。残りのライダーは、Y1231デベロップメント・ソリューション(オプションA)とスタンダードSC1ソリューション(オプションB)を選択。リアについては、22人のライダーのうち15人がスーパーソフトのスタンダードSCX(オプションA)を選択し、残りのライダーはスタンダードソフトのSC0(オプションB)を選択た。
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WorldSSPレース1では、ほぼすべてのライダーがスタンダード・ソフト・ソリューションを選択。フロントで最も使用されたのはスタンダード・ソフトSC1(オプションA)で、リアでは全ライダーがスタンダード・ソフトSC0(オプションA)を選択。フロントはスタンダードソフトのSC1(オプションA)が最も多く、リアはスタンダードソフトのSC0(オプションA)を全ライダーが採用。フロントはスタンダード・ミディアムのSC2(オプションB)で、ミシェル・ファブリツィオ(G.A.P. MOTOZOO Racing by Puccetti / Kawasaki ZX-6R)とガラン・ヘンドラ・プラタマ(Ten Kate Racing Yamaha / Yamaha YZF R6)が使用した。
WorldSBKレース1のピレリのデータ
- ピレリ最優秀ラップ賞受賞者:トプラック・ラズガトリオグル(PATA YAMAHA WorldSBK Official Team / Yamaha YZF R1)2周目1’36.877
- 最も使用されたフロントソリューション: Z0628 SC1開発(22人中9人が使用)
- 最も多く使用されたリアソリューション:スタンダードSCX(22台中15台が使用)
- スーパーバイククラスのソリューション(ドライ、インターミディエイト、ウェット)の数:フロント5本、リア7本
- スーパーバイククラスの各ライダーが使用できたタイヤの数:67本(うちフロント32本、リア35本)
- 気温:19° C
- アスファルト温度:46° C
WorldSSPレース1のピレリのデータ
- ピレリ最優秀ラップ賞受賞者:N.トゥーリ(MVアグスタ・コルセ・クリエンティ/MVアグスタF3 675)8周目 1’40.700
- 最も多く使用されたフロントソリューション:スタンダードSC1(27人中25人が使用)
- 最も多く使用したリアのソリューション:スタンダードSC0(27人中27人が使用)
- スーパースポーツクラスのソリューション(ドライ、インターミディエイト、ウェット)の数:フロント4本、リア4本
- スーパースポーツクラスの各ライダーが使用できるタイヤの数:フロント22本、リア24本の計46本
- 気温:20°C
- アスファルトの温度 :46° C
(Source: Pirelli)
(Photo courtesy of Pirelli)