本人も想定していなかったんでしょうが、前半戦最後のザクセンリンクへと向かう前に、チャンピオンシップをリードする事になったドヴィツィオーゾ選手。いつも着実なレースをしている印象が強いドヴィツィオーゾ選手ですが、今回はビニャーレス選手が目の前で転倒したこともあって、チャンピオンシップのことを強く意識して走ったようです。

アンドレア・ドヴィツィオーゾ

「妙なレースでした。残念ながら予選でのミスがレースに影響してしまいました。レース序盤にトップグループを捉える事が出来ず、そのせいでレースが複雑になってしまったんです。序盤は速く走るためのスムーズさがありませんでした。ただ、落ち着いて全てのポジティブな物事を活かして走りました。マーベリックの後ろにいた時に、どこで改善が出来るかを考えていたんです。ただ彼が転倒する前の1周で十分に理解する事が出来ました。」

「それ以降はコンスタントに速く走る事に集中していました。そしてマーベリックが転倒した後は自分がレースでの最速ライダーでしたので、それに関しては嬉しく思っています。これは将来的に考えてもチャンピオンシップにおいても重要なことですね。というのも、今日自分達が速かったというのは本当のことで、先頭グループに対して4秒も詰める事ができたんです。ですからハッピーですし、このトラックでそれが出来た事が嬉しいです。このトラックは明らかに自分にはベストなトラックではありませんから。」

「ですから、今日5位というのは悪くないですし、こういったスピードを発揮して、自信を感じて5位を獲得出来たのは重要なことです。5位には満足はしていません。最低でも3位はいけると思っていました。ただ最後の2周のカルとマルクとのバトルはクレイジーでした。彼らをオーバーテイクしようというのは出来ませんでした。ですから、それに関しては嬉しくはありません。」

「ただ自分のスピードに関しては非常に嬉しく思っています。また、いかにこのレースウィークエンドを過ごせたかということに関してもそうです。ポジションが悪い時でも落ちついていましたし、正しい方向に向かった作業が出来ました。今まで試したことがないセットアップでレースをスタートしましたが、このセットアップがレースで機能すると思っていたんです。」

「バイクには非常に良いフィーリングがあります。残り4周というところで雨が激しく降り出して、その時にチャンピオンシップについて意識しました。どのコーナーが濡れていて、どのコーナーより濡れているかなどはわからなかったので、リスクは実に高かったんです。チャンピオンシップの状況もありますから、ダニロとバレンティーノがよりリスクを冒せるというのは当然なんです。自分はスローダウンする必要がありました。残念ながら優勝争い出来るような状況では無かったんです。ただ、レースについて、スピードについて、いかに作業が出来たかなど、全てについて満足しています。」

「ラインに関しては、このトラックは自分にとっては簡単ではないんです。自分のライディングスタイルとはあまりにも異なっているんです。ただ多くのコーナーで色々なラインで走行が可能なんですよ。マーベリックのラインをいくつかのコーナーで見た後に同じラインを試してみたんですが、これが機能したんです。ですから、小さな物事が大きな違いを生み出すんです。それもあって、自分も今までより0.4秒ほど速いタイムだったんでしょう。それにかなりハードにプッシュもしていました。レース中にどのように対応出来たかという事に関しては、非常に嬉しく思っています。こういうのは、スタートした時にスピードがない時っていうのは簡単なことではないんです。落ち着いて改善していくというのが素晴らしいことです。小さなことですが、良い形に反応出来ているのは間違いありません。」

「自分はいつもチャンピオンシップのことを考えてレースをしています。チャンピオンシップ6位で走っていた時は、レース中にクレイジーな事はしませんでしたし、チャンピオンシップのことは考えていませんでした。速いライダー達は常にチャンピオンシップのことを考えているんだろうと思っていましたけど。ですからそれに関しては変えるつもりはありません。過去2年やってきたことを確認して勝てるという事を確認しました。こうした自信は次のレース、これからのレースへのモチベーションを高めてくれます。」

「今年のチャンピオンシップは昨年と同様に、リタイアしないこと、ゼロポイントで終わらない事が非常に重要です。ただ、自分のミスではないとはいえ、既にゼロポイントのレースがありましたから、これがチャンピオンシップに影響を及ぼすでしょうね。今日のような日は、可能な限りの限界のリスクを背負う必要はないんです。」