バレンティーノ・ロッシの引退に合わせて、バレンティーノ・ロッシと共に16年間戦ってきたYZR-M1がお別れのメッセージを送っている。ホンダから移籍後すぐに伝説を作ったバレンティーノ・ロッシとYZR-M1、両者の関係性がこれで終わってしまうのは仕方なくも悲しい。

ここまでライダーとバイクの結びつきが強固な例はこの先も出ないだろう。バレンティーノ・ロッシ、本当にお疲れさま。
バレンティーノ・ロッシ

YZR-M1より

2004年1月24日の土曜日の事を昨日のことのように覚えています。私達が初めてデータをしたマレーシアの1日。あなたのような人(ライダー)をずっと待っていました。私は緊張していたけれど、互いに一目惚れだった事を思い出します。直感的に2人の関係性は特別なものになるとわかったの。

「誰もが否定出来ない人生に1度きりの輝き、パズルのピースが全て揃ってしまったような感覚だった。2004年。ウェルコムの芝の上で2人の時間が止まったのを思い出します。でも、あれは始まりに過ぎなかったのよね。
[adchord]
私達は共に4度タイトルを獲得し、56勝した。世界中の人に喜びを届け、人生で忘れることが出来ない思い出をプレゼントして、互いにベストを引き出し合いながら、歴史を作ってきた。」
バレンティーノ・ロッシ
あなたは私を再び強くしてくれ、再び尊敬されるバイクにしてくれた。そして多くの人から愛されるバイクにしてくれた。こんなパワーがあるのはバレンティーノ、あなただけ。

私はあなたを心から信頼してきたし、心からあなたを支えてきた。あなたと共に全ての戦いを経験し、私だけが最後まであなたをモータースポーツに夢中にさせることが出来た。

ウェルコムでの初めてのキスから、今年のバレンシアの最終戦まで、一緒に多くの冒険をしてきたわよね。2008年のラグナセカ、2009年のカタルーニャ、あの時代、私達のような走りが出来たライダーとバイクはいなかったわよね?

2009年のアッセンでは、あなたの100勝目を手助けすることが出来た。本当に最高の瞬間だった。私はあなたのキャリアのうち16年間を支えてきたけど、私の心と16年間共にいてくれたのはあなただった。
バレンティーノ・ロッシ
「ムジェロ、もてぎ、シルバーストーン、セパン、バルセロナ、ブリーラムなど、世界中どこでも一緒だった。あなたがそうしてくれたように、私もあなたに全てを捧げてきた。
[adchord]
そして、私にとっての最大の宝物は、グリッド上での2人だけの会話。私とあなただけの2人だけの世界。私達は互いにとってかけがいのない存在だったの。
ポルトガルGP バレンティーノ・ロッシ「トップ10は可能だと思っていた」
でもどんなに美しい愛の物語も終わりがある。バレンティーノ、これからはお別れだけど、あなたは私の一部、私の歴史の一部です。あなたは、私が今日どんなバイクであるかをかたち作る存在で、これからの私をかたち作る存在です。

私達の結びつきは他にはない特別なものだった。だから私は、これからあなたが思う以上にあなたの事を恋しく思うでしょう。」

ありがとう、バレンティーノ。心から愛しています。

あなたのYZR-M1

(Source: yamaha-racing)

(Photo courtesy of michelin)