レッドブルKTMファクトリーレーシングのマティアス・ウォークナー、トビー・プライス、ケビン・ベナビデスは、来年1月に開催されるダカールラリーに向けて最後の準備段階に入った。3人はいずれもダカールラリーでの優勝経験があるが、ケビン・ベナビデスは2021年のダカール・ラリーをホンダで総合優勝している。
トビー・プライスは2021年のダカールの怪我で今シーズンは棒に振っており、フィジカルの仕上がりにはやや疑問が残る。昨年王者のケビン・ベナビデスも怪我で一時的にバイクに乗れておらず、新しいKTMのマシンにどこまで適応出来ているか、やや不安を抱えてダカールに挑む。
なお、KTMにはMotoGPを引退したダニーロ・ペトルッチが加入しており、2022年のダカールラリーがダニーロ・ペトルッチにとってのデビューレースとなる。ダニーロ・ペトルッチにとってはまずは完走することがゴールとなる。
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2022年ダカールラリーのスタートまであと1ヶ月となり、レッドブルKTMファクトリーレーシングの3人は最後のテストを終えている。なお3名のライダー達は、KTMテクノロジーズ、KTMの研究開発部門、KISKA、KTMモータースポーツが2年間にわたって緊密に協力して開発してきたた、最新バージョンのKTM 450 RALLYで参戦する。
マティアス・ウォークナーは、2021年シーズンに活躍。FIMクロスカントリーラリーの世界チャンピオンとなった。ラリー・カザフスタンで2位となった後、シルクウェイ・ラリーで首位に立ち、ラリー・デュ・モロッコでも2位につけ世界タイトルを獲得。2020年最後のレースとなったアブダビ・デザート・チャレンジでは、2021年シーズンを優勝で締めくくっている。
マティアス・ウォークナー
「2021年はダカールでのパフォーマンスに始まり、世界選手権を通じて自分にとって良い年でした。1月のダカールでは序盤に問題が発生し、上位入賞を果たすことが出来ませんでした。しかしスピードは確実に上がっていったので、それを残りのシーズンに発揮することが出来たと思います。」
「この2年間は誰にとっても難しい年でしたが、出場した4つのレースすべてで2位以内に入り、2回優勝したことで、レースに対する情熱がさらに大きくなっています。モロッコはダカールに向けて重要なレースでしたが、そこで2位と2分弱の差をつけられたことは大きな自信になっています。体調も万全ですし、バイクにもしっかり体を慣らしています。ダカールまでに時間はありませんが、レースに向けて準備は万端です。」
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トビー・プライスは2021年のダカールラリーでステージ9でクラッシュしリタイアしている。3度の手術を受けたプライスは2021年は競技から遠ざかり、シーズン後半はオーストラリアの自宅でバイクでのトレーニングを増やし、今年後半にチームに合流し新型KTM 450 RALLYのテスト、開発を行ってきた。10月に開催されたラリー・デュ・モロッコでは5日間のレースに参加し、ダカールに向けてモロッコの砂丘で新型マシンのセットアップを進めている。
トビー・プライス
「2022年のダカールをとても楽しみにしています。今年のレースは第9ステージでクラッシュしてしまいました。良い位置につけていただけにリタイアは残念でした。次のレースではこれまでのレースと同じく、休息日にはしっかりとしたポジションで安全に過ごし、争いに巻き込まれないようにしたいと思っています。計画を立てるのは簡単ですが、ラリーは日々変化していますから対応できなければなりません。新しいマシンは確実に正しい方向に進んでいます。レッドブルKTMチームと一緒にレースをするのが待ち遠しいです。」
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2021年大会で優勝したケビン・ベナビデスは、レッドブルKTMファクトリーレーシングの一員としてダカールラリーに参戦。本来はラリー・カザフスタンでのデビューを予定していたが、練習走行中に転倒して肩を負傷したため参加を断念している。夏の終わりには本格的なトレーニングを再開、KTM 450 RALLYでの初参戦となったラリー・デュ・モロッコでは、トリッキーなサンドステージで卓越したスキルとスピードを発揮し総合7位に入賞。第44回大会に向けて、厳しいトレーニングで体力をつけ中東での2連覇を目指す。」
ケビン・ベナビデス
「レッドブルKTMの一員としてダカールに挑戦するという新しいチャレンジをとても楽しみにしています。チームと契約後すぐに、練習走行中の転倒で肩を痛めてしまい3ヶ月間バイクから降りていました。その後は、テストとトレーニングのプログラムを進めました。チームはアメリカに渡り、新しいバイクで多くの作業を行った後、モロッコに渡り、ラリー・デュ・モロッコに参戦しています。」
「バイクをさらに進化させることと、レース環境でチームを知ることが目標でしたが、これらがすべてがうまくいっています。新しいKTM 450 RALLYで前進出来ていることが嬉しいですね。レースまで1ヶ月しかないので、できるだけ多くのトレーニングを行い、新しいバイクに乗る時間を確保しています。戦略を立てるのはいつも難しいのですが、スタートから1週間が過ぎて、休息日を挟ん大きなで問題がなければ、連覇を目指していきます。」
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ノルベルト・スタドルバウアー チームマネージャー
「ラリーチームの監督としてダカールに参加するのは今年が初めてですが、就任以来とても楽しみにしていました。KTMにとってダカールは重要なレースであり、チーム全体がこのメインイベントに向けて、トレーニング、準備、そして新しいバイクの導入などに取り組んできました。マティアスはこの1年でスピードと安定性を大きく向上させ、2021年は世界チャンピオンを獲得することができました。」
「ケビンはダカールの覇者であり、最終ステージでトップに立つためには何が必要かをよく知っています。今年は多くの時間をかけてトレーニングを行っており、彼がKTMで活躍する姿を見るのが楽しみですね。トビーのフィジカルはほぼ100%の状態に戻っており、ダカールでの優勝には欠かせない存在と言えるでしょう。」
「最後にダニーロがMotoGPからラリーに参戦することになりますが、彼にとっては大きな挑戦であり、エキサイティングなことです。彼はすでに素晴らしい技術を見せてくれていますが、今年の彼の目標は完走することです。イベントを通して、彼がどのように進化していくのかとても楽しみにしています。」
2022年のダカールラリーは、1月1日(土)に第1ステージのスタート順を決める短いプロローグを経てスタートする。ステージ数は全12ステージ、総走行距離は約8,000km。レースはハイルをスタートし、南下してリヤドでの休息日を経て、1月14日に紅海沿岸の都市ジェッダでゴールを迎える。また、外部からのサポートが得られない2つのマラソンステージもライダー達に立ちはだかることになる。
(Source: KTM)
(Photo courtesy of KTM)