ヘレス・サーキットで行われたテストは、2日間総合でトプラック・ラズガトリオグルが最速ラップタイムを記録した。この日トプラック・ラズガットリオグルはターン13で激しく転倒しているが、トップタイムを記録してテストを終えた。総合2位はジョナサン・レイで、ラズガトリオグルから0.083秒差。タイトル防衛に挑むAruba.it Racing – Ducatiチームは、アルヴァロ・バウティスタとマイケル・ルーベン・リナルディがそれぞれ3位と4位に入った。2023年もタイトル争いを展開するであろうトップ3はわずか0.180秒差で並んでいる。

5位はKRTのアレックス・ロウズとなったが、6位には今年のルーキーであるドミニク・エガーターがSCQを使用して入った。7位にはヤマハのアンドレア・ロカテリ、8位に同じくルーキーとなるダニーロ・ペトルッチとなった。9位にHRCのイケル・レクオナ、10位はヤマハから参戦するレミー・ガードナーとなる。なお、今回のテストにはMIEは参加していない。

Ducati

Ducatiは今年アップグレードされたエンジンを投入するとしている。さらにウイングレットは同じダウンフォースを維持しつつも、コンパクトで薄くなっている。新型エキゾーストも投入している。新エンジンは昨年のアグレッシブさが収まり、スムーズになっているようだが、アルヴァロ・バウティスタによると旋回性は進化していないようだ。バイクの安定感に関しては気づきがあったようだ。

カワサキ

カワサキはコーナー立ち上がりの加速の向上、電子制御に関する新しいアイディアを試している。ショーワの新しいサスペンションのテスト、ホイールベースのセッティングなども行っている。なお、大きな人材の移動としては昨年トプラック・ラズガットリオグルのチームにいたクリストフ・ランバートがKRTに移籍、電子制御面において大きな役割を担うと期待されている。また、ザンダー・ドンカーズという電子制御エンジニアも加わりジョナサン・レイと一緒に仕事をしていく。

ヤマハ


ヤマハはスイングアームとリンクを新しくしている。トプラック・ラズガットリオグルは2日目のテストでラップレコードに迫るタイムを記録しており、ロカテリは新型スイングアーム、電子制御などのテストを行っている。ヤマハはリアグリップとコーナー立ち上がりの加速が課題となる。

ホンダ

ホンダはHRCから日本の主要メンバーがテストに同席。エンジンのスペック違い、スイングアームのテスト、ニッシン製の新しいキャリパーのテストなども行った。シャーシも剛性を変更したものを持ち込んでいたようでジオメトリーの設定等も行っていたようだ。エンジンはトルクを増加させてコーナーからの立ち上がりを重視した方向性のようだ。

BMW

2023年にBMWは新しいエアロパッケージを投入する。新しいパッケージについてファン・デル・マークは好感触を得ているようで、2022年型の改善点であるコーナー立ち上がりと旋回性能について改善が見られたようだ。またBMWはブレーキをニッシンからブレンボに変更している。バズは昨年はブレーキに不満を抱えており、ブレンボに変更したことで、暑いコンディションでの違いが出てくると考えているようだ。なお、BMWは新しいギアボックスも投入している。