ムジェロテストはドライでスタートした後にすぐに雨が降り出してしまったようで、チームの中には早々に帰り支度を始めたチームもいたようだ。各チームはまずドライでベースセッティング状態のバイクで走行し、その後テストを始めようとした矢先の雨だった。数名の選手は雨によって走行自体を行っていない。

Ducatiは新型パーツ持ち込んでいたが、ドライでテストしないと意味がないというコメントをしていた。アプリリアは日曜のレースでの課題点である立ち上がりのドライブの改善を目指しており、これを電子制御とシャーシの調整で改善を図っている。なお、エアロアップデートも控えているようだ。なおアプリリアは新しいスタートデバイスもテストする予定だったようで、アッセンでこれが見られる可能性もある。

ヤマハは気温が低い状況であれば、ペースを発揮出来るが、気温が上がってくるとバイクがフロントタイヤをプッシュするような状況が発生しているようだ。ヤマハもこれを理解しようとしているという。なお、ヤマハは新しいエンジン、シャーシなど大きなアップデートを持ち込んでいると言われている。

各メーカーに共通して言えるのは、特にムジェロは近年のバイクの高速化、エアロボディの効果が増すことで、高速コーナーの切り返しを含むレイアウトのため、非常にフィジカルなトラックになっているようで、ライダーの疲労が限界に近づいているという。

こうなってくるとライダー病である腕上がり、ライダーのレース後半のパフォーマンスにも影響を及ぼすため、効果は最大化しつつも、バイクを操るうえでの抵抗にならないようなエアロボディが求められている。

KTMは全く新しいエアロボディのテストをテストしたかったようだが、雨のムジェロでのテストの意味はなく、早々にテストを終えたようだ。

ヤマハは今回のムジェロでストレートスピードも悪くなく、確実に前進の兆しが見えており、目下の課題はエアロによって失われてしまった旋回性を再度取り戻すことにあるだろう。

ホンダは未だに方向性を探っているように見え、着実に少しづつ前進して方向性を見つけつつあるヤマハと対象的に暗中模索という言葉が当てはまるような状況に見てとれる。引退を表明したアレイシ・エスパルガロがHRCテストライダーに就任という話が出ているが、経験豊富なアレイシ・エスパルガロが加入することで、ホンダの開発は加速するだろうか。

(Photo courtesy of michelin)