マン島TTレースウィークは、天候不順や路面コンディションの影響によるスケジュール変更を強いられながらも、ついに2025年シーズン最初の決勝レース「RST x D3O スーパーバイクTT」が開催された。例年に比べてスロースタートとなったTTウィークにおいて、このレースはファンが待ち望んだシーズン幕開けの一戦。開幕レースにふさわしいスリリングな展開となり、最終的にはデイビー・トッド(Monster Energy by 8TEN Racing BMW Motorrad)が、わずか1.296秒差でマイケル・ダンロップ(MD Racing BMW Motorrad)を退けて勝利を掴んだ。トッドにとっては通算3度目のTT優勝。3位には安定した走りを見せたディーン・ハリソン(Honda Racing)が入り、表彰台を締めくくった。
トッド、激戦制す!スーパーバイクTTで劇的勝利、ダンロップを1.296秒差で下す
マン島TTレースの最初のレースとなるRST x D3OスーパーバイクTTは、デイビー・トッド(Monster Energy by 8TEN Racing BMW Motorrad)がマイケル・ダンロップ(MD Racing BMW Motorrad)をわずか1.296秒差で下し、白熱の4周バトルを制した。トッドにとっては通算3度目のTT勝利となる。3位にはディーン・ハリソン(Honda Racing)が入り、表彰台を締めくくった。
レースは2か所のディーゼル燃料漏れによる路面コンディションで予定より遅れて正午にスタート。トッドは1周目のグレン・ヘレンで先頭に立ち、ディーン・ハリソンに0.044秒差という僅差でリード。ダンロップはさらに2.8秒後方の3位。ナサン・ハリソン(H\&H Motorcycles Honda)、マイク・ブラウン(KTS Racing by Stanley Stewart BMW)、ジェームズ・ヒンド(North Lincs Components Honda)がトップ6を構成。ジョン・マクギネス、コナー・カミンズ、ジョシュ・ブルックスといった常連はトップ10外に沈んだ。
トッドはバラフでは2秒差、ラムジーでは6秒近くまでリードを拡大。一方、ダンロップはハリソンとの差を1秒にまで縮めた。ナサン・ハリソンは4位をキープし、ドミニク・ハーバートソン(HRRC/Adam Hewitt Ltd Honda)が5位に浮上。ブラウンは6位に後退した。
1周目終了時、トッドは134.275mphのラップで7.8秒のリードを確保。ダンロップは133.236mph、ハリソンは133.051mphで3位につけた。ナサン・ハリソンは131.270mphで初の「130mphクラブ」入り。ブラウン(130.748mph)、ハーバートソン(130.455mph)も130mph超えを記録。
2周目ではダンロップがグレン・ヘレンで最速タイムを叩き出し、トッドとの差を5.9秒に短縮。バラフでは6.2秒差に戻ったが、ハリソンはさらに1秒失い後退。ナサン・ハリソンは依然4位を堅持。ハーバートソンとデイヴィッド・ジョンソン(Platinum Club Racing Kawasaki)が5位・6位に浮上。ブラウンは7位に後退。
トッドはラムジーで7.5秒差に拡大。しかし2周目終盤、トッドは133.874mph、ダンロップはそれを上回る133.967mphをマークし、差は7.1秒に。ハリソンは132.682mphに留まり、首位争いから離脱。ナサン・ハリソン(130.824mph)、ジョンソン(130.603mph)、ブルックス(129.887mph)が4~6位に並んだ。ブラウンとフィル・クロウはピットでリタイア。
トッドはピット作業で時間を失い、3周目のグレン・クラッチェリー・ロードではリードが1.8秒に減少。グレン・ヘレンでは1.5秒にまで迫られたが、バラフでは3.086秒に回復。しかしパーラメント・スクエアでワイドに走り、ラムジー・ヘアピンでは再び1.9秒差に縮まった。
バンガローでは1.1秒差と再接近されたが、トッドはマウンテンセクションで再び差を広げ、最終ラップ開始時点では1.9秒差に。ハリソンは25秒遅れで3位を堅守。ナサン・ハリソンが4位、ジョンソンが5位を維持し、ヒリアーが僅差で6位。ブルックスは7位に位置し、マクギネス(Honda Racing)が1.3秒差で迫った。イアン・ハッチンソンはピットでリタイア。
最終周のグレン・ヘレンではトッドのリードは0.2秒と超接戦に。数マイル後、ダンロップはライン上でハリソンを抜いて首位浮上。しかし、トッドは猛反撃し、バラフで再び2.2秒差を築いた。
ラムジー・ヘアピンでは1.9秒、バンガローでは2.2秒と接近戦が続き、135.327mphのラップでトッドが劇的勝利を収めた。ダンロップは135.416mphの最速ラップを記録するも、わずか1.296秒届かず。ハリソンはTT通算31度目の表彰台となる3位。
ナサン・ハリソン(131.113mph)は見事4位。ジョンソン(131.097mph)、ヒリアー(131.285mph)がトップ6入り。7位にマクギネス、8位にブルックス、9位にはダファベット・レーシング・ホンダで自己ベストの129.594mphを記録したマイケル・エヴァンス、10位にジャクソン・レーシングのポール・ジョーダンが続いた。なお、12位のアマルリック・ブランクは127.726mphの自己ベストで、マン島マウンテンコースでの最速フランス人の座を堅持した。