ホンダの進化と希望 マルティン加入の可能性と開発の現状
ホンダのロマーノ・アルベシアーノは、ホルヘ・マルティンがホンダに移籍すれば、それはホンダにとって非常に良いことになるという。2024年からのマシン開発ではフィードバックの多くが好意的であったが、特定のネガティブな要素がアタックの妨げとなっていたが、現在はトップスピードやオーバーテイク性能にも変化が現れているとする。
ブレーキングにおける振動などは依然課題だが、ヨハン・ザルコはバイクを巧みに操り、ミルはわずかなリスクが噛み合わず結果に繋がっていない。マリーニは負傷中だが、復帰を強く望んでおり、シーズン後半には大量の新パーツ投入が予定されている。今季中のコンセッション除外と、来季の優勝争いを目標に開発が進められている中で、王者マルティンの加入は実現するのだろうか。
ホンダ テクニカル・ディレクター ロマーノ・アルベシアーノ
「もしホルヘ・マルティンがホンダに移籍してくるならホンダにとって素晴らしいことでしょう。ホンダは世界最大のバイク企業ですから、仕事へのアプローチ方法は全く別です。もちろん開発やテストにおいては自分達のような欧州人のアプローチを持ち込んでいます。しかし情熱を持つ事、クリエイティブであることに関してはホンダがもともと持ちあわせているものです。」
「昨年の結果の時点でバイクの性能はそこまで改善されていないと感じていましたが、ライダーに初めて感想を聞いた時、バイクの殆どのキャラクターに関してのフィードバックはポジティブだったんですよ。しかし特定の部分が大きなネガティブを生んでいて、これでアタックを妨げるような状況となっていました。昨年と今年の大きな変化はトルクデリバリーでしょう。ライダーによってコントロールしやすい状況となりましたし、電子制御、トラクションコントロール等も含めて進化してきましたし、チーム間でも可能な限りの情報をやり取りするようになっています。」
「これらの変更でトップスピードにも変化が出ており、ライダーもオーバーテイクがしやすく、オーバーテイクされにくくなってきています。現代のMotoGPにおいてブレーキングは最も重要なポイントの1つですが、この部分に関しては振動を含めてまだ改善が必要な部分と感じています。ヨハン・ザルコはバイクをうまく扱っています。彼は他のライダーよりもバイクから発生する振動をうまくコントロール出来ています。」
「ただ、それだけでなくスピードがあります。彼にとっても今はキャリアにおいて素晴らしい瞬間でしょう。ジョアン・ミルもスピードがある選手なんですが、そのすべてが上手く噛み合っていません。彼のスタイルとして後少しのリスクをエントリーのタイミングで取れていないのでしょう。ルカ・マリーニは鈴鹿テストでひどい怪我をしてしまっていますが、開幕よりも進化していると思いますので、早く戻ってきて欲しいです。」
「彼は開発において大きな力になっていますので、彼が早く戻ってくることを望んでいます。シーズンエンドに向けて膨大な数の新アイテムを予定しています。シャーシ、エンジン含めて様々なテストが進んでいます。チャンピオンシップ争いが来年出来るかはわかりませんが、しかし優勝争いに絡むということは期待しています。今年中にコンセッション適用除外となることを願っています。」