土曜の接触転倒でタイトル決定を逃すという苦しい展開にもかかわらず、トプラック・ラズガットリオグルは日曜のレース2で冷静な走りを貫き、3位表彰台を獲得。結果としてチャンピオンシップを制し、3度目のワールドチャンピオンに輝いた。これでトプラック・ラズガットリオグルは3度以上のタイトルを手にした史上4人目のライダーとして歴史に名を刻んだ。BMWでの最後の年にふさわしい有終の美を飾ったトプラック・ラズガットリオグルは、来年に次なる舞台となるMotoGPに挑む。

苦境からの逆転、そしてタイトル確定
土曜日のレース1で2位に入ったラズガットリオグルは、スーパーポールレースで7位以内に入ればタイトル決定という状況だった。しかし、オープニングラップのターン5でニコロ・ブレガと接触して転倒。ノーポイントに終わり、チャンピオンシップ優勝は持ち越しとなった。それでも日曜午後のレース2では、10番グリッドから落ち着いた走りでポジションを上げ、3位でフィニッシュ。22ポイント差を守り切り、見事にチャンピオンに返り咲いた。
トプラック・ラズガットリオグル
「この週末は本当に素晴らしい気持ちです。特に土曜日はすべてが順調に進んでいたので、少しプレッシャーを感じていました。今日はもっとリラックスしてサーキットに来ましたが、スーパーポールレースでターン5で転倒してしまいました。そのあとは気持ちを切り替えて、レース2に集中しました。強い走りが必要だと分かっていたので、冷静に臨みました。結果的にタイトルを獲ることができて、とても嬉しいです。」
「シーズン序盤はあまり良いスタートではありませんでしたが、毎戦ごとに成長できました。それはすべてチームの努力のおかげです。今回がBMW、そしてWorldSBKパドックでの最後の年になりますが、いい形でBMWにプレゼントを渡せたと思います。毎年記録を塗り替えるのは気持ちがいいですし、もう少しこのシリーズにいれば、もっと記録を更新できたかもしれません。コーリン・エドワーズの連続表彰台記録も破りたかったですが、来年からはMotoGPに挑戦します。でも、もしかしたらまた戻ってくるかもしれません。このパドックは自分にとって心地よい場所なので。」
接触クラッシュ後の心境と、レース2でのアプローチ
「レース2では、序盤から落ち着いて走る必要があると思っていました。スタートは10番手で、多くのライダーが前にいましたが、みんながチャンピオン争いを尊重してくれました。無理に攻めすぎないように、少しずつプッシュしました。もしスーパーポールレースを完走していれば、あの時点でタイトルは決まっていたでしょう。でも、レース2ではただ完走すればよかったので、普通に走りました。無理はせず、確実にフィニッシュすることだけを考えていました。」
「ニコロとはここ9戦ずっとバトルしてきました。自分が勝つ時もあれば、彼が勝つ時もありました。P1とP2を入れ替えながら、本当に良い戦いができたと思います。彼は大きく成長していて、とても速いライダーです。今は次のチャレンジであるMotoGPに集中しています。来年は、彼がチャンピオンになると思います。」
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。