ドニントン・パークで開催されたFIMスーパーバイク世界選手権(WorldSBK)第7戦UKラウンドのレース1は、トプラック・ラズガットリオグル(ROKiT BMW Motorrad WorldSBK Team)が制し、同サーキット通算10勝目を挙げて歴史を塗り替えた。地元ファンの声援を受けてスタート直後に首位に立ったアレックス・ロウズ(bimota by Kawasaki Racing Team)は、第3コーナーでのハイサイドにより無念のリタイア。波乱含みの開幕戦となった。

レース開始直後に3台が接触、波乱の幕開け
スタート直後の第1ラップでサム・ロウズ(ELF Marc VDS Racing Team)、ヤリ・モンテッラ(Barni Spark Racing Team)、アルヴァロ・バウティスタ(Aruba.it Racing – Ducati)が絡み合いグラベルに飛び出すクラッシュが発生。早々に3台が戦線を離脱した。
この混乱を避けたニコロ・ブレガ(Aruba.it Racing – Ducati)とダニーロ・ペトルッチ(Barni Spark Racing Team)が2位と3位でフィニッシュ。両者ともほぼ独走状態で表彰台を確保した。
王者トプラック、首位奪取から圧勝劇へ
ホームの英雄アレックス・ロウズが序盤にトップを走行するも、クレイナー・コーナーでの激しい転倒により脱落。首位の座はラズガットリオグルに転がり込んだ。そこからは持ち前の速さを発揮し、レース中盤には5秒以上のリードを築いて独走態勢に入った。
この勝利によりラズガットリオグルはドニントンでの最多勝記録を更新、通算10勝目を達成。2つの異なるサーキットで10勝を記録した史上2人目のライダーとなった。一方のブレガはスタートでの出遅れが響き、ラズガットリオグルに対して勝負を挑むには至らず。2位フィニッシュながら、ライダーズランキングのリードはわずか4ポイントに縮まった。
ロカテッリとレアがYAMAHAバトル、レディングが意地の追い上げ
4位争いはアンドレア・ロカテッリ(Pata Maxus Yamaha)が制し、チームメイトのジョナサン・レイ(同)、スコット・レディング(MGM BONOVO Racing)、ドミニク・エガーター(GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team)との4台による接戦を制した。
レイはスタートで2位に浮上するなど今季最高の走りを見せ、最終的には5位フィニッシュ。今季ベストリザルトとなった。レディングは17番グリッドからの追い上げで一時上位をキープするも、レイのオーバーテイクに屈し6位に後退。エガーターは圧をかけるまでには至らなかったが、レイの背後でプレッシャーを与え続けた。
ガーロフが連続8位、ガードナーとイアンノーネがトップ10入り
ギャレット・ガーロフ(Kawasaki Racing Team)は前戦に続く8位でフィニッシュ。序盤は前方集団に付いていけなかったが、終盤には0.116秒差まで詰め寄った。レミー・ガードナー(GYTR GRT Yamaha)はジェルロフから2秒差の9位、アンドレア・イアンノーネ(Team Pata Go Eleven)がその2秒後ろで10位を獲得した。
地元ビッカーズは12位、バサーニは転倒から復帰して完走
シャビ・ヴィエルへ(Honda HRC)が11位でゴールし、その0.5秒後方に地元イギリスのライアン・ビッカーズ(Motocorsa Racing)が12位で続いた。ビッカーズはトップ10入りを目標に掲げており、その実現に近づきつつある。
マイケル・ファン・デル・マーク(ROKiT BMW Motorrad WorldSBK Team)は13位、ミケーレ・リナルディ(GMT94-YAMAHA)が14位、バハッティン・ソフォーグル(Yamaha Motoxracing WorldSBK Team)が15位。転倒後にレースへ復帰したアクセル・バサーニ(bimota by Kawasaki Racing Team)は16位完走を果たした。
クラッシュ続出、8台がリタイア
第1ラップの接触でバウティスタ、サム・ロウズ、モンテッラが早々にリタイア。アレックス・ロウズもトップ走行中の転倒でレースを終えた。その後もティト・ラバット(PETRONAS MIE Honda Racing Team)が9コーナーで転倒し、ホンダ移籍後の初戦を白星で飾れず。トミー・ブライドウェル(Honda Racing UK)も1コーナーで転倒し、イケル・レクオナとイヴォ・ロペス(共にPETRONAS MIE Honda Racing Team)は技術的トラブルでリタイアを喫した。