2026年ダカールラリー第10ステージは、エイドリアン・ヴァン・ベヴェレンの圧倒的な勝利とともに、新たな総合リーダーとしてリッキー・ブラベックが浮上する劇的な展開となった。舞台はサウジアラビア・アシール州のビシャへ向かう368kmのスペシャルステージ。前夜のマラソンステージでの野営を経て出発したライダーたちは、体力と集中力を試す過酷なソフトサンドの砂丘群に挑んだ。

ヴァン・ベヴェレンはこの日、卓越した走りで完全復調を印象付けた。ル・トゥケ・ビーチレースでの3勝を誇る経験を武器に、トーシャ・シャレイナ、ブラベック、マイケル・ドカーティを次々に捉え、先頭ボーナスタイムを最大限に活用。途中、ルチアーノ・ベナビデスの猛追を受ける場面もあったが、冷静にペースを保ち、最終的にブラベックに3分49秒差をつけてキャリア7度目のステージ勝利を挙げた。大会11回目の出場で示した存在感は、初週の不調を完全に払拭する内容だった。
一方、ブラベックも計算された走りで存在感を見せた。4番手スタートのアメリカ人ライダーは、前走者の轍を巧みに活用。途中、クラッシュしたダニエル・サンダースの安否を確認するために一時停止したが、すぐに態勢を立て直して2位フィニッシュを果たした。サンダース救助による1分37秒のタイムクレジットが決定打となり、総合順位で首位に浮上。ベナビデスに56秒差をつけて残り3ステージを迎える。
前ステージを制したシャレイナは、ルートオープナーとしての厳しい役割を担い、序盤123kmで17分を失う苦戦。しかしその後は、クラッシュしたサンダース支援後、ブラベックと共に砂丘を攻略しつつ、先頭走行による5分28秒のボーナスタイムを獲得。ステージ6位ながら、総合3位に浮上した。明日は有利なスタート順となり、総合4位サンダースとの差をさらに広げる好機を得る。
スカイラー・ハウズも安定した走りを継続し、4位でフィニッシュ。彼にとって得意ではない砂丘地帯ながら、持ち前の堅実さでトラブルなく2日間のマラソンステージを完走。総合5位をキープしている。
大会は残り3ステージ。第11ステージではアル・ヘナキヤへ向かう全長883kmの過酷な一日が待ち受ける。ミスが許されない戦いが続く。
リッキー・ブラベック(ステージ2位/総合1位)
「マラソンステージは全体として良かったです。地面の上で星を見ながら寝ることができて、すごく良い体験でした。この2日間は本当に素晴らしかったですし、自分たちにできるベストを尽くしました。結果もまずまずで、自分のバイクが無事に戻ってきたのが何より嬉しいです。メカニックにとっても最高です。タイム差は本当に僅差で、正直、自分としてはどうかと思いますが、観ている人にとっては面白いレースになっていると思います。あと3日、全力で戦い続けたいと思います。最終的に理想のポジションで終えられることを願っています。」
スカイラー・ハウズ(ステージ4位/総合5位)
「マラソンステージがこのレースでいかに重要か、改めて痛感しました。昨日はとにかくマシンを大事にしながら、無理せずナビゲーションにも気を配って走りました。今日は体力的にかなり厳しいと分かっていたので、無理せず自分のペースで走りました。エイドリアンが猛スピードで抜いていったので、自分は自分のレースを守りました。最後は再び追いつき、結果として非常に良い一日になったと思います。自分のプラン通りに走ることができました。」
エイドリアン・ヴァン・ベヴェレン(ステージ1位/総合6位)
「今日の勝利は本当に嬉しいです。大量の砂があって、自分にとっては得意なコンディションでした。第1週で問題を抱えていたこともあり、再び集中してベストを尽くすのは簡単ではなかったですが、それができました。この勝利は単なるステージ勝利以上の意味があります。自分本来のレベルに戻ってきたという証でもあります。」
トーシャ・シャレイナ(ステージ6位/総合3位)
「今日は簡単ではないと分かっていました。昨日の結果から、時間を失うことは想定していました。80km地点からはみんなで走り、給油後にはダニエル・サンダースがクラッシュしたので、彼のサポートに入りました。その後は最後まで一緒に走り、砂丘でのダストと闘いながら、先頭ボーナスタイムを最大限に稼ごうとしました。これで再び上位争いに戻ってこられました。明日以降も厳しい戦いが続きますが、引き続き全力でプッシュしていきます。」
ステージ11
次戦ステージ11では、全長883kmの移動を含む過酷な行程が待ち受ける。総合優勝争いは最後の瞬間までもつれ込む展開となりそうだ。
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。