ヤンブにて幕を閉じた第48回ダカール・ラリーは、史上最も衝撃的なフィナーレを迎えた。オートバイ部門では、ルチアーノ・ベナビデス(レッドブルKTMファクトリーレーシング)がリッキー・ブラベック(モンスターエナジー・ホンダHRC)をわずか2秒差で下し、自身初の総合優勝を達成。ゴール7km手前でのナビゲーションミスが運命を分けた。
この勝利により、ベナビデス兄弟は共にダカール勝者として名を連ねることに。兄ケビンは2021年と2023年の覇者であり、史上初の“兄弟ダカールウィナー”として歴史に名を刻んだ。
四輪部門では、ナッサー・アル=アティヤが完璧な戦略と冷静な判断力で6度目の優勝を飾った。今回の勝利により、彼はステファン・ペテランセル(8勝)、アリ・バタネン(4勝)の間に位置する偉大な存在となった。また、ダチアにとってもこれが初のダカール制覇となり、フォード勢やセバスチャン・ローブ(表彰台外)らを圧倒した。

ベナビデス、運命の逆転劇
ダカール2026序盤はダニエル・サンダースが独走状態だったが、トシャ・シャレイナの10分ペナルティを機にリッキー・ブラベックがホンダのリーダー格として台頭。サンダースがビシャへのルートで肩を負傷し、戦線離脱は免れたものの、タイトル争いからは脱落。そこに割って入ったのがベナビデスだった。
第8ステージで今大会3度目のステージ勝利を挙げたアルゼンチン人ライダーは、総合首位に立ち、最終盤まで接戦を演じた。ステージ11終了時点でのリードはわずか23秒。第12ステージ後、ブラベックは3分20秒差を築き、事実上“勝利確定”と思われたが、最終ステージのナビゲーションミスにより悲劇が起きた。
ブラベックはゴール手前7kmでルートを誤り、約3kmのロスを喫する。その間にベナビデスが先着し、逆転勝利。史上最も僅差となる2秒差でタイトルを手にした。また、ラリー2クラスでもKTMが逆転。ホンダ勢を抑え、トニ・ムレック(BASワールドKTM)が第11ステージで逆転し、トップルーキーとなったプレストン・キャンベル(ホンダ)に4分37秒差で優勝。
「オリジナル・バイ・モチュール」クラスでは、ベンジャミン・メロが18位総合で完走し、念願のクラス優勝。昨年逃したタイトルをついに手中に収めた。
完走台数と統計
・出走317台中、247台が完走
・表彰対象:204台(モーターサイクル90台、四輪133台、トラック24台)
・クラシック部門は91台が最終結果に名を連ねた
ダカール2026は、スポーツ史に残る歴史的な幕切れで幕を閉じた。わずか2秒が運命を分けたその瞬間、砂漠に刻まれたドラマは、新たな伝説として語り継がれていくだろう。
最終ステージ結果
ダカール・ラリー2026最終結果
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。