
ファビオ・クアルタラロが、2027年のMotoGPシーズンに向けてホンダとの契約に合意したと報じられている。2019年のMotoGPクラスデビュー以来ヤマハで走ってきたクアルタラロだが、2021年に世界王者に輝いて以降、マシンの競争力低下に対する不満を繰り返し示してきた。昨季も才能を証明するように5度のポールポジションを獲得したが、優勝には届かず。2023年序盤のアレックス・リンス以来、ヤマハはドライレースでの勝利を挙げていない。
中でも昨年のイギリスGPでは、トップ走行中にライドハイトシステムの不具合で優勝を逃すという痛恨の展開もあった。最終的にクアルタラロはグランプリでの表彰台が1度、スプリントで2度の表彰台に留まり、ランキング9位でシーズンを終えた。ヤマハ勢で次点だったのはジャック・ミラーで17位と低迷しており、体制全体の問題が浮き彫りとなっていた。
ヤマハは巻き返しを図るべく、技術ディレクターにマックス・バルトリーニをドゥカティから招聘。サテライトチームとしてプラマックと契約を結び、さらにV4エンジンへの完全移行を決断した。今週のセパン・シェイクダウンでは、その新型V4が初登場する。
だが、報道が事実であれば、クアルタラロはそのマシンに一度も乗ることなく、ホンダへの移籍を決断したことになる。ホンダもまた課題を抱えてきたが、昨季はヨハン・ザルコがル・マンのウェットコンディションで優勝。さらにドライで3度の表彰台(ザルコ1回、ジョアン・ミル2回)を獲得し、2026年に向けてコンセッションランクをDからCへと引き上げることに成功した。
RC213Vプロジェクトは、現在アプリリア元技術責任者ロマーノ・アルベジアーノが率いており、近年はヤマハよりも明確な進展を見せている。2027年からは850ccエンジンとピレリタイヤという新時代が幕を開ける。クアルタラロの決断は、まさにその“未来”を見据えたものといえるだろう。
もし契約が正式に成立すれば、ホンダはすでに2027年のファクトリーシートの3つを確保したことになる。LCRのザルコは2026年末まで契約済みで、チームメイトのディオゴ・モレイラは複数年契約を締結したばかり。そうなれば、HRCの現在のファクトリーライダーであるミル、あるいはルカ・マリーニのどちらかがシートを失う可能性が出てくる。
この動きによって、ホンダ入りが噂されていたホルヘ・マルティンの選択肢は一気に狭まり、代わりにヤマハへの移籍が現実味を帯びてきた。2027年はマルティンがクアルタラロの後任としてヤマハ入りする方向で調整が進んでいると噂されている。
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。