2020年、本来KTMで参戦予定だったヨハン・ザルコは、オーストリアGPにおいて2020年の契約の破棄をKTM側に依頼。これによって2020年の参戦計画が白紙となったザルコの行き先として考えられるのはどこか?

シルバーストーン前後では何らかの新たな情報を伝えられるとSNSで発表したザルコだが、来年MotoGPクラスに残されたシートはないため、来年MotoGPクラスで走るザルコの姿を見ることはないはずだ。(※LCRの中上はファクトリーマシンの供給を2020年に求めているがシートはほぼ確定)

最も濃厚なのが、Moto2クラス二冠王者であるザルコのMoto2クラスからの参戦だ。トライアンフエンジンでのザルコの速さは不明とは言え、ザルコを欲しがるチームの数は少なくないはずで、2020年もMoto2から参戦することを表明したアレックス・マルケスにとっては厄介なライバルとなる。

ヤマハテストライダーとなったジョナス・フォルガーの代わりに、テストライダーとなる可能性、ワールドスーパーバイクへの移籍の可能性もゼロでは無いが、ふたたびMotoGPクラスに戻ってくる事がザルコのプライオリティーであると考えると、1年間はMoto2クラスから参戦。可能であればタイトルを手土産に2021年にMotoGPに復帰することを目指していると想像出来る。

仮にザルコが2021年にMotoGPに復帰した場合、KTM以外、ザルコのライディングがDucatiとおそらく合わないことを考えると、可能性があるメーカーはスズキ、ヤマハ、アプリリア、ホンダとなる。

その中でファクトリーチームへいきなり移籍するとは考えにくいことから、可能性が高いのはペトロナスヤマハ、スズキサテライト、アプリリアサテライトトチーム、LCRホンダ(※カル・クラッチローは2020年シーズンの後に引退を考えているという噂あり)ではなかろうか。

補足すると、2020年にはサテライトチームを用意するのが難しそうなスズキだが、ドルナの意向としてファクトリーチーム+サテライトチームで合計4台をグリッド上に用意することが各メーカーに求められているため、2021年には各メーカーがサテライトチームを用意する可能性は高い。

ライディングスタイルの面からするとスズキサテライト、ペトロナスヤマハならば、ザルコのスムーズなライディングを活かせる可能性が高い。今から2年先のことを考えても現実味がわかないが、間違いなく才能があり速いライダーだけに、ザルコの強さを活かせる環境で活躍を期待したい。

(Photo courtesy of KTM)