(※写真はマイク・ライトナー)
KTMのテクニカルディレクターであるセバスチャン・リッセは、ホンダのMotoGPライダーを引退後、KTMでテストライダーとして働くダニ・ペドロサを高く評価。2020年のバイクの開発にはもちろん、2019年のシーズン中の開発にも、大きな影響を与えていると語る。

セバスチャン・リッセ

「現時点ではダニ・ペドロサはエンジン、電子制御面の開発で大いに役立ってくれています。彼はKTMのGPライダー達、ミカ・カリオよりも遥かに経験豊富ですから。彼ほど繊細にバイクの変化を感じ取れるライダーは多くありません。10個ほどのアップグレードを施したバイクに乗らせてみて、GPライダー達は「ああ、こういう感じが欲しかったんだ」というものです。ダニのリソースを使って開発を進めるというのがKTMの今シーズンの目標です。そして当然ながら来年のバイクの開発に関しても彼の役割は非常に大きいのです。この最新パッケージを出来る限り速くGPライダー達に試してもらおうと思っています。」

「ポル・エスパルガロとミカ・カリオはバイクのリアグリップを重視していますが、ヤマハから来たライダー達は軽いハンドリング、旋回性に優れたバイクを求めています。KTMのバイクを速く走らせるには、限界までバイクをプッシュしないといけません。そうしないとバイクが応えてくれないんです。」

「ですから開発に関してもこうした方向を考える必要があります。ポル・エスパルガロは独特なライディングをしていますが、現時点で結果を出している選手です。しかし同時に、別のライディングスタイルのライダー達を助ける必要もあるんです。ポル・エスパルガロは昨シーズンは怪我などもあり厳しいシーズンを過ごしていましたが、今シーズンに関しては素晴らしい結果を出していて、冬季シーズンに大きく成長しました。」

「バイクはまだ我々が求めるレベルに達しているとは言い難いのですが、ポルはこれを乗りこなしてトップ10を獲得しています。しかしヨハン・ザルコに関してはまだKTMの乗り方を発見出来ていません。彼のフィードバックは実に有用ですが、色々なことを試している中で、まだ結果が出てこないという状況です。ミゲルは初めてのMotoGPバイクということで、オープンマインドに色々なライディングスタイルを取り込んでいます。」

「バイクに関してはサスペンションはWPでいくというのは変わりませんし、シャーシに関してもスチールフレームを使い、アルミニウムを使用する考えはありません。タイヤに関してはMotoGPクラスにおいて非常に重要なもので、タイヤの性能をしっかりと理解することはもちろん、いかにそれを使いこなすかということも重要なんです。」

(Source: KTM)

(Photo courtesy of michelin)