ジョナサン・レイとスコット・レディングは対談の中で、ライバル関係の中でも違いをリスペクトすることの重要性を語る。MotoGPではオープンカテゴリーのRCV1000Rから始まり、サテライトチーム、チーム体制含め散々だったアプリリアで苦戦したレディングは、バイクの性能差が少ないことが、ライダーにとってもファンにとっても面白いと語る。
リスペクトがあればトラック上で相手のことが嫌いでも問題ない
スコット・レディング
「カール・フォガティのインタビューを読んだことがあるんだ。昔はライダー達はパドックでは言葉を交わしつつ、トラック上では互いを嫌っていて、だからこそボクシングのようなガチンコのレースが展開されていたと話していた。彼の話は全くもってそのとおりだと思う。パドックではリスペクトがありつつも、一度レースが始まったら相手のことが嫌いでも問題ないと思う。」
「昔は選手同士の誰がアイツを嫌いだとかいう情報がオモテに出やすかったし、ファンもそういったものを見たがっていたと思う。でも今は互いに何かわだかまりがあったとしても、口に出さずに顔では笑っているということが増えたと感じる。いずれにしてもレースはレースなんだしね。」
ジョナサン・レイ
「確かに互いにリスペクトがあれば十分だね。レースで勝てるようになってくると、周囲の選手は皆祝福してくれるんだけど、さらに勝ち続けるとパドックを歩いていてもやっかみみたいなものを感じるようになる。」
スコット・レディング
「互いに尊敬をしながらレースをするわけだから、それが自然だね。自分がジョニーを負かしたら祝って欲しいし、逆の場合であればジョニーを祝福するだろう。俺の場合はジョシュ・ブルックスとはどうにも馬が合わなかった。彼が勝った時はいつも祝福していたんだけどね。君の場合はどうなんだい?気に入らないヤツを教えてくれよ。」
負けることを受け入れられない選手もいる
ジョナサン・レイ
「気に入らないというか、トラックで会う分には特に問題はないんだけどね。負けるのがどうにも我慢ならない選手も中にはいて、そういう選手の反応には頭にくるね。自分が2位や3位の場合は、常に優勝ライダーを探して祝福しているんだ。」
「長年のライバルということだとチャズで、チームメイトのサイクスは同じバイクだったのもあって、面白かったね。こういったライバルが優勝した時は、素直に彼らの勝利を祝福するのが当然だろう。」
「地球上で最も凄いライダーがマルク・マルケスだというのは間違いない。彼が持っているスキル、バイクで成し遂げてきたことはものすごいことだ。ホンダはマルケスをバルセロナでスーパーバイク仕様のファイアーブレードに乗せるべきだと思うよ。きっとものすごく面白いと思う。」
スーパーバイクはバイクのレベルが拮抗しているから面白い
スコット・レディング
「自分はMotoGPを走ってきて、今はFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)でMotoGPにも参戦していたライダー達ともレースをしている。スーパーバイクに関して大好きな部分は、BMWもホンダも、Ducatiもカワサキも、ヤマハもそれぞれレベルが拮抗していることなんだ。」
「ライダー達にとって同じレベルでバトルが出来るということだけでなく、ファンにとってはバイクの性能差ではないライダー同士のトップ争いが楽しめるのが面白いだろうね。」
(Photo courtesy of Pirelli, Ducati)