大雨によるTOP10トライアルの中止、レース前日の三重県沖でのM6.5の地震だけでなく、決勝当日も赤旗で中断のままレースが終了となるドラマチックな展開となり、最終的にWSBKライダー3名を擁するKawasaki Racing Teamが2019年の鈴鹿8耐を制した。

2位は大会5連覇を狙っていたYamaha Factory Racing Team、3位Red Bull Hondaとなった。なお、EWCチャンピオンシップで優勝したのはTeam SRC Kawasaki Franceとなった。

表彰台を獲得した3つのファクトリーチームは、開始から5時間トップを走行。6時間を超えた時点でも、それぞれの差は僅か6秒という接戦だった。しかし、レース残り3分の段階で故障車が路面に撒き散らしたオイルによってレースが赤旗中断。

赤旗中断となったレースでKawasaki Racing Teamが優勝

Kawasaki Racing Teamは赤旗が提示された中でジョナサン・レイが転倒、これによりレイはフィニッシュラインを通過出来なかった。これにより、当初はYamaha Factory Racing Teamが優勝とアナウンスされるが、「赤旗によってレースが中断された場合、その前の周回の順位が最終順位となる」というルールに基づいて、Kawasaki Racing Teamの優勝が決定した。

これにより、ジョナサン・レイ、レオン・ハスラム、トプラック・ラズガトリオグルは、カワサキに1993年以来初となる鈴鹿8耐での優勝をもたらした。2位のYamaha Factory Racing Teamはこれにより5連覇を逃す形となり、3位のRed Bull Hondaより2秒速くゴールした形となった。

F.C.C. TSR Honda Franceは4位、Yoshimura Suzuki Motul Racingを追いつかせずに走り切ったが、目標としていたEWCのチャンピオンシップ2度目の優勝を果たすことは出来なかった。

欧州ベースのチームトップとなったのは6位のYART Yamaha、7位のMusashi RT Harc-Pro Hondaは1分30秒のペナルティーを受けて挑んだレースで見事な走りを見せた。

序盤から良い位置で走行したS-Pulse Dream Racing、KYB Moriwaki Racing、Honda Dream RT Sakurai、Honda Asia Dream Racing with Showaが、トップ10でレースを終えた。

EWCタイトルを獲得したのはTeam SRC Kawasaki France

今回の鈴鹿8耐ではSuzuki Endurance Racing Teamが9位で走行する中で、16回目のタイトル獲得が確実と見られていたが、エンジントラブルによってリタイア。これによって、11位でレースを終えたTeam SRC Kawasaki Franceが、初めてとなるEWCタイトルを手にしている。

トップ20で完走した欧州ベースのチームとしては、13位のHonda Endurance Racing、15位のBolliger Team Switzerland、Team ERC-BMW Motorrad Endurance、Omega Maco Racing などがあった。

第42回大会となった鈴鹿8耐の観客動員数は109,000人で、土曜の台風にも関わらず日曜単体では65,500人(昨年比8%プラス)となった。

(Source: EWC)

(Photo courtesy of EWC)