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33人目のMotoGP殿堂入り ホルヘ・ロレンソ「MotoGPに感謝している」

ホルへ・ロレンソホルヘ・ロレンソはコロナによるパンデミックでMotoGP殿堂入りが遅れていたが、前回ラウンドのスペインGPでMotoGP殿堂入りを果たした。ロレンソはこれで33人目のMotoGPレジェンドとなる。

ご存知の通り、ホルヘ・ロレンソは現役時代に5度のタイトルを獲得している。2006年、2007年に250ccで2連続チャンピオンとなり、2010年、2012年、2015年にMotoGPでタイトルをヤマハで獲得、レース出場回数は現役18年間で297回、表彰台獲得回数は152回、優勝回数は68勝、MotoGPでは47勝している。ポールポジション獲得回数は69回だ。

その走りは鋭さが有りながらもスムーズ、抜群のスタートダッシュから機械のような正確さでコンスタントにラップを刻む圧巻の走りは、ヤマハのYZR-M1と見事にマッチしたこともあって、MotoGP黄金期の2010年代においてMotoGPクラスで異彩を放った。

強靭な意思の強さが魅力の選手でもあり、トラック外では歯に衣着せぬもの言い、常に自分が信じる意見を貫き、他の選手と意見が衝突することを恐れず独自のスタンスを貫いた。

非常にユニークで特徴的な選手であり、現役時代はファンには絶大な人気を誇るカリスマ的な選手でもあったが、同時にアンチも多い選手だったと言えよう。[adchord]

MotoGPの歴史で最も重要なライダーの一人

ドルナCEO カルメロ・エスペレーター

「コロナでのパンデミック以前に、ホルヘ・ロレンソのMotoGP殿堂入りが決定していましたが、こうしてこの場を設けることが出来たことが嬉しいです。彼のキャリアスタートは鮮烈だったことを覚えていますが、ホルヘは世界のデビュー戦をここヘレスで15歳の誕生日の翌日に迎えました。」

「彼は偉大な選手である以前に素晴らしい人物です。とても情緒豊かで友情に厚く、何事も全力で挑戦する人物、そして偉大なライダーです。ホルヘはこの世代のライダーの中でも特別な存在でありましたし、今までも我々同様に常に成長してきました。」

「そのホルヘをMotoGPの33人目のレジェンドライダーに迎えることが出来ることは何よりの喜びです。彼はMotoGPの歴史の中でも最も重要なライダーの一人ですから、彼を殿堂入りさせることが出来て本当に嬉しく思います。」

MotoGPに感謝している

ホルヘ・ロレンソ

「本当にありがとうございます。ヘレスでデビューしたのは今から20年前でした。鈴鹿、南アフリカではレースが出来なかったのでデビューがこの場になったんですが、金曜時点では14歳だったことを思い出します。」

「コース横からチェッキネロ、ペドロサなどを見ていて、あまりにも彼らがアグレッシブで速く見え、彼らヒーローのように自分が日曜日に同じレベルで走れるのかと疑問に思っていました。」

「誕生日にはケーキを用意してもらったことを覚えていますし、感動で涙が出ました。何よりも感動したのは子供時代のアイドルだったマックス・ビアッジのモーターホームに訪問出来たことです。」

「彼はアメリカンスタイルの豪華なモーターホームにいて、ヤマハのオフィシャルカラーのレザースーツを着ていました。自分もいつか彼のようなモーターホームを持って、ヤマハで同じようにオフィシャルカラーのレザースーツを着たいんだと彼に言ったものです。」[adchord]

「こうして20年後にここにいるわけですが、子供の頃に夢見た125cc時代のライバル達と同じレベルに到達出来たと感じますし、数字的な意味ではバレンティーノ・ロッシに次ぐ数字を達成出来たと思っています。」

「現役生活を通じて素晴らしい人達にも恵まれましたし、本当に素晴らしいライバルに恵まれました。今や自分もビアッジのようなモーターホーム、ヤマハのオフィシャルレザースーツも所有していますしね。今日はここで、いつも良くしてくれたカルメロからMotoGPの殿堂入りを祝福するトロフィーを貰えるのは大変光栄なことです。」

「すべてのレジェンドライダー達は偉大なチャンピオンですが、すべてのチャンピオンライダーが殿堂入り出来るわけではありません。ですから、自分にはこの殿堂入りがチャンピオンシップでの出来事よりも嬉しいんです。本当に人生の中で最高の瞬間です。MotoGPに感謝しています。」

感動的な3つの瞬間

「キャリアを通じて最も感動的な3つの瞬間としては、まずは2003年のブラジルでの初優勝ですね。この勝利を通じてこの世界で行きていけるんだと感じたんです。それまではプロライダーとして生活していくことが出来ると明確には思っていませんでしたから。」

「2つ目は2006年に獲得した初の世界タイトルです。そして3つ目はMotoGPで初めて獲得したタイトルです。このMotoGPでのタイトル獲得が最高の瞬間で、その後は同じ感動を味わうために繰り返し挑戦を続けてきました。」

「今でも覚えている瞬間としては2013年のオランダ戦です。その年はなんとしてもチャンピオンシップ優勝をしたかったんです。骨折の痛みは木曜時点で本当にひどく、月曜まで手術を待ちたくなかったんです。」

「ですから、実はレースがどうしてもしたかったわけではなくて、酷い痛みをどうにかしたいという思いでバルセロナに戻りました。」

「その晩に手術をしたところ気分が非常に良くなったのもありましたし、その時点でポイントリーダーだったダニを逃したくなかったんです。ですからレースに参戦し5位で完走しました。25歳と自分も若かったですし、今思うとクレイジーなことだった思います。」

「2度とこんなことはやらないでしょうけど、次のザクセンリンクで転倒してプレートを曲げてしまうハプニングもありました。でも、こうした思い出は今思い返すと素晴らしいものです。」

最も重要な人物は母、キャリア形成を助けてくれたのは父

「この世で最も重要な人は母親ですね。しかし、この世界に引き入れてくれたという意味では父でしょう。自分に初めてのバイクを与えてくれ、12歳か14歳かになるまでは、彼にすべてを教わりました。父がいなければ、自分は今ここにいないでしょう。ただ、ここにも来てくれていますが、大切な人達は他にもたくさんいます。」

「自分が選手としてどのように認識されていたいかでいうと、自分のキャリア後半10年は特にそうでしたが、目的に対して一途であったということ、スタートが上手く、ミスがない選手であったということですね。高い集中力は自分のスキルの一つだと思っています。」

「思うに成功を多く納めた選手、何度も優勝し、チャンピオンシップでも優勝した選手であればあるほど、引退に対してはさほど抵抗がないものです。ただ、チャンピオンシップにおいて体感したような喜び、興奮は他の物事からは得ることが出来ません。怪我をすることもありますし、危険なスポーツでもあります。しかし、自分は自分のキャリアを通じてネガティブな感じるものはありません。」

(Photo courtesy of michelin)

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