チャーン・インターナショナル・サーキットにおける、モディファイド・プロダクションバイクのブレーキングシステムの使い方に関する考察

スーパーバイク世界選手権の第2戦は3月23日から25日にチャーン・インターナショナル・サーキットにおいて開催されます。2014年10月に5400万ユーロがこのサーキットの建造に使われ、ビールブランドに基づいてサーキットの名称が決定されています。

過去3回レースを開催しているこのサーキットは、32℃から36℃という高い気温でアスファルトは42℃から50℃になります。
16名のワールドスーパーバイクのライダー達と密接に働いているブレンボのエンジニア達によると、チャーン・インターナショナル・サーキットはブレーキには最も過酷なサーキットです。ブレーキングの難易度指数5段階評価の中では5に分類され、イモラ、ドニントンパークと同様です。

GPの中で使用されるブレーキについて

フィリップアイランドと同様にチャーン・インターナショナル・サーキットは12のコーナーと7つのブレーキングポイントから成り立っています。しかしこれらのコーナーとブレーキングポイントはオーストラリアのトラックとは完全に異なり、フィリップアイランドの場合は海沿いに位置していることから、より穏やかな気温なのです。

タイに位置するトラックの特徴は、ロングストレートとストップ&ゴー側のブレーキングです。トラック中間には曲がりったカーブが連続している部分もあります。全長4,554mのトラックは、最後にまたしても激しいブレーキングポイントがあります。1周の中でライダーが使用するブレーキは26秒間で、これはフィリップアイランドよりも6秒長いものです。平均ラップタイムはほぼ同様です。

ブレーキは20周のレースの中では合計で9分間使用され、これが高い気温と共に、スチールディスクの温度を上昇させます。ラップごとの平均減速Gは1.24Gとバイクにしては高く、MotoGP世界選手権中の15トラックよりも高いものとなります。ライダーがスタートからチェッカーフラッグを受けるまでにブレーキレバーにかける力を合計すると合計で770トンを超えます。

最もチャレンジングなブレーキングポイント

チャーン・インターナショナル・サーキットの7つのブレーキングセクションにおいては、3つが難易度が高く、残りの4つは中程度と考えられています。
最もタフなブレーキングポイントはターン3で、ここにスーパーバイクは1キロにも及ぶストレートの後にアプローチします。ブレーキは6秒間(正確には5.9秒)で、バイク305km/hから76km/hまで減速します。ブレーキングシステムが受ける圧力は12.2barで、缶に入ったコカ・コーラの圧力の約3倍です。ブレーキングに必用なのは225mで、タイにある大仏像の4倍の長さに相当します。

ターン12のブレーキングセクションは最もスピードが遅いコーナーで(68km/h)、バイクはここに248km/hで進入します。ブレーキングに必用なのは4.9秒で、ブレーキングレバーにかかる力は6kgとなります。なお、この間にスーパーバイクは194m前に進みます。

3つ目に難しいのはストレートに続くターン1です。ここでもレバーには6kgのちからがかかり、ブレーキングシステムにかかるのは12.2barです。しかしブレーキング区間は短く、たった3.8秒、173mとなります。

サーキットの中心セクションではブレーキングにかかる時間と距離は短いものになります。しかしそれでも難易度は高く、その中でもターン5は最もチャレンジングなブレーキングセクションで、ブレーキにかかるのは3.2秒間ながら減速Gは1.2Gに達するのです。

ブレンボのパフォーマンス

タイで開催されたレースにおいて、ブレンボのブレーキを装着したカワサキの車両が過去勝利を収めています。ジョナサン・レイが5度、トム・サイクスが1度優勝しています。ブレンボのブレーキは過去のレースでも表彰台を独占しており、17人のライダー達が過去開催された6つのレースで表彰台を独占しています。その数はカワサキが10回、アプリリアが2回、スズキが1回、Ducatiが3回、そしてヤマハも1回勝利しています。

<ブレンボ プレスリリース>

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