現場カメラマンは、ストレートでレブリミットに何度も当てるマーべリック・ビニャーレスを目撃

マーべリック・ビニャーレス 故意なエンジンブローを狙った可能性が高まる
モンスターエナジーヤマハはマーべリック・ビニャーレスのオーストリアGP出場中止を発表したが、これは今週末だけに留まる話ではなさそうだ。チームのプレスリリースによると、

  • マーべリック・ビニャーレスの操作が、YZR-M1のエンジンに深刻なダメージを与えかねない操作であり、これが彼自身、共に走行するMotoGPライダー達への危険な行為になりかねると判断した。
  • スティリアGPの週末の操作を、テレメトリーから深く分析した結果から、出場停止させる判断に至った。

ということで、簡単に言うと「マーべリック・ビニャーレスが故意にエンジンブローをさせようとしたことを、テレメトリーから確認した」ということになる。なお現場証言として、複数のカメラマンが、ラスト数周に渡り、マーべリック・ビニャーレスがストレートにおいて5速で何度もレブに当てた状態で走行しているのを目撃したとTwitterで語っている。
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これらのマーべリック・ビニャーレスの行動はMotoGP公式サイトに掲載されているデータからも明らかだ。次に紹介するデータは左からラップタイム、セクター1〜4のタイム、最高速となっているが、それまでの周回と比較して明らかにおかしいデータに赤枠をつけている。

マーべリック・ビニャーレス 故意なエンジンブローを狙った可能性が高まる

まずラップタイムを見るとそれまで25秒台で走行していたものが、24周から30秒台に急激に落ち込んでおり、セクタ1〜セクター4のタイムも、24周目から急激に遅くなっており、最高速度も25周目から274km/h〜287km/hに落ち込んでいる。この日の彼の最高速度である312km/hが、274km/hに落ち込んだということは、実に38km/hも最高速度が落ちていることを意味する。

ストレート上で6速にシフトアップせず、5速でレブリミットに当て続けていたのだとすると、この数値の落ち込みも理解出来る話だ。

シーズン終了を待たずに解雇の可能性も

マーべリック・ビニャーレスの危険走行、そしてバイクに対する仕打ち、チームへの裏切り行為を考えると、今年末を待たずに、彼がチーム側から解雇される可能性は極めて高くなったと言わざるを得ない。
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今週末のオーストリアGPにマーべリック・ビニャーレスは出走せず、ヤマハも代役を立てない。カル・クラッチローはフランコ・モルビデッリの代役としてイギリスGPまで走るとアナウンスされているため、イギリスGPではヤマハはFIM スーパーバイク世界選手権(SBK)から再びギャレット・ガーロフを招集する可能性があるだろう。(※トプラック・ラズガトリオグルはチャンピオンシップ争いをしている)

イギリスGP以降はフランコ・モルビデッリがペトロナス・ヤマハ・SRTに復帰する予定のため、(※復帰はサンマリノGPからの可能性も)カル・クラッチローがマーべリック・ビニャーレスに変わってファクトリーマシンを操縦、そのままシーズン終了を迎える可能性がある。

来年はアプリリアからMotoGPに参戦すると噂されていたマーべリック・ビニャーレスだが、今回の報道を知って、アプリリアがそれでもマーべリック・ビニャーレスにオファーを出すのか、それともマーべリック・ビニャーレスがこのままMotoGPから追放されるのか。。

ヤマハ陣営としてはバレンティーノ・ロッシの引退会見もあった夏休み明けのオーストリアでの2戦だが、なんとも後味の悪い形で終わることになりそうだ。

(Photo courtesy of michelin)