ダンロップがTT通算32勝目

マン島TTレースのモンスターエナジー・スーパースポーツクラスで、マイケル・ダンロップが水曜日午後のレースを制し、同クラスで8連勝、TT通算32勝目を達成。歴代最多勝記録をさらに更新した。

マイケル・ダンロップはMilwaukee/MDレーシング・ドゥカティを駆り、ホンダ・レーシングのディーン・ハリソンに26.181秒差をつけて圧勝。マイクールマンbyパジェッツ・モーターサイクルズのデイヴィー・トッドが3位で表彰台を締めくくった。これでダンロップはTTでの表彰台獲得数も49に到達した。

コンディションは全体的にドライだったが、強風が吹き荒れる中、マーク・カヴェンディッシュ卿の合図で午後1時にレースがスタート。グレンヘレンではダンロップがトップに立ったが、2位のハリソンとはわずか0.2秒差。3位のトッドも0.1秒差と続き、ジェームズ・ヒリアー(ボーンマス・カワサキ)がさらに0.048秒差で4位に迫った。

ジェームズ・ヒンド(ノース・リンクス・コンポーネンツ・スズキ)とマイケル・エヴァンス(スミス・レーシング・トライアンフ)も好スタートを切り、それぞれ5位と6位に位置した。

ダンロップはボーラフでリードを1.9秒に広げたが、2位にはトッドが浮上。2位から4位までは0.5秒以内の接戦が続いた。ヒンドとエヴァンスはそれぞれ5位、6位をキープ。

初回のラムジー・ヘアピンではダンロップがリードを2.8秒に拡大。ハリソンが2位に戻り、トッドがジョシュ・ブルックス(ジャクソン・レーシング・ホンダ)をパス。ヒリアーは依然僅差で4位をキープ。ブルックスは10位から6位に浮上した。

ハリソンはヒルベリーでブルックスのチームメイト、ポール・ジョーダンを抜いてロード上でトップに立った。初ラップで127.560mphを記録し、ダンロップ(127.790mph)との差を1.9秒まで縮めた。ヒリアー(127.038mph)が3位に復帰し、ハリソンとは4.3秒差、トッド(127.006mph)とは0.27秒差だった。

ヒンド(125.352mph)とブルックス(125.291mph)は0.5秒以内の差で5位、6位につけた。ジョーダン、ドミニク・ハーバートソン(HRRC/ギルバート・ブラウン&サン・ドゥカティ)、マイク・ブラウン(ボイス・プレシジョンbyラッセル・レーシング・ヤマハ)、エヴァンスがトップ10を形成。

2周目のグレンヘレンでは、ダンロップがリードを4.8秒に倍増。ヒリアーは3位を維持しつつトッドと接戦。ヒンドは5位をキープし、ブルックスとジョーダンはセクターごとに順位を入れ替えた。

サラズ・コテージでヒリアーがリタイアし、トッドが3位に浮上、ジョーダンが4位に繰り上がった。前方ではダンロップが圧倒的なペースでリードを10.3秒まで拡大し、ラムジー・ヘアピンに到達。

2周目は129.297mphの驚異的なラップを記録し、ダンロップは15.9秒のリードでピットイン。ハリソン(127.595mph)は2位を維持、トッド(127.222mph)は差を7.7秒に縮めた。ジョーダン(126.358mph)、ヒンド(125.797mph)、ブルックス(125.719mph)が続いた。ハーバートソン、ブラウン、エヴァンス、イアン・ハッチンソン(moobob/UGP/MLavレーシング・ヤマハ)がトップ10。

その後もダンロップは全セクターでリードを広げ続け、最終ラップのスタート時には21.5秒差。前を走るハリソンを視界に捉えるまでに迫った。トッドは3位を安泰にし、ジョーダンがヒンドに3.3秒差をつけて4位を確保。

最後まで機械的トラブルもなく、ダンロップは127.771mphでチェッカー。ハリソン(127.221mph)は安定の2位でフィニッシュ、トッド(126.953mph)も再び表彰台を獲得した。

表彰台争いの後方では順位が入れ替わったが、ジョーダンが自己最高のスーパースポーツ4位を達成。ヒンドも5位でフィニッシュし、ブルックス、ハーバートソン、ブラウン、ハッチンソン、エヴァンスがトップ10を締めた。