
ホンダ・モーター・ヨーロッパは11月2日、Africa Twinシリーズに新しく加わる2027年モデル「CRF1150L Africa Twin Enduro Sports」を発表した。1,131ccに拡大した新しいエンジンや車体、電子制御をAfrica Twinと共有しながら、CRF450RALLYと同じ仕様の49mm径フロントフォークや長いサスペンションストローク、260mmの最低地上高を備えたオフロード寄りのモデルとなる。変速機は6速MTと6速DCTから選べる。
Africa Twinシリーズの4モデル目
2027年型のAfrica Twinシリーズは、CRF1150L Africa Twin、Adventure Sports、Adventure Sports Honda SENSING RIDE、そして今回のEnduro Sportsの4モデルとなる。Enduro SportsはAfrica Twinの装備を絞り込み、本格的なオフロード走行に向けて仕立てたモデルで、開発コンセプトは「Fun Anywhere. Blaze a Trail!」。デザインコンセプトは「Premium OFF Adventure」とされ、HRCのラリーマシンをモチーフにしている。
エンジンと電子制御はAfrica Twinと共通
エンジンは1,131ccの並列2気筒で、最高出力87.5kW(7,500rpm)、最大トルク119Nm(5,750rpm)。CRF1100L Africa Twinの75kW、112Nmから最高出力は16.5%向上した。ボアを2mm広げて94.0mmとし、圧縮比は10.5から12.1に上がっている。スロットルボディ径は46mmから52mmに拡大された。270度位相クランクによる不等間隔爆発は従来どおり受け継いでいる。
ライディングモードはSPORT、TOURING、URBAN、RAIN、OFFROAD、OFFROAD+の6種類で、すべてのモードで設定を個別に調整できる。スロットルの反応はDynamicとComfortから選べ、HSTCは7段階で、オフロードでのリアタイヤのトラクションをより細かく制御できるよう調整された。DCT仕様はOFFROADモードで変速時のクラッチの滑りを減らし、OFFROAD+モードでは変速パターンを選べる。
CRF450RALLY仕様のフロントフォーク
フレームとスイングアームは新しいAfrica Twinと同じもので、2026年型のAfrica Twinより合わせて1.4kg軽い。シート下に燃料のサブタンクを置いて重心を下げている。
Enduro Sports専用の装備として、フロントにはCRF450RALLYと同じ仕様の、ショーワ製49mm径クローズドカートリッジ倒立フォークを採用した。従来の45mm径から太くなり、フル調整式となっている。リアもフル調整式のショーワ製ショックをプロリンクで組み合わせる。フロントのストロークは240mm、リアのホイールトラベルは230mm、最低地上高は260mmで、Africa Twin(220mm/210mm/240mm)よりそれぞれ大きい。
ホイールベースは1,585mm、キャスター角27.5度、トレール117mm。装備重量はMT仕様が228kg、DCT仕様が239kg。ブレーキはラジアルマウント4ピストンキャリパーと310mmのウェーブディスクで、焼結パッドを使う。リアは256mmのウェーブディスク。ホイールは前21インチ、後18インチのステンレススポークで、チューブレスタイヤを履く。標準装着タイヤはメッツラー KAROO STREETで、オフロード性能を重視する場合はミシュラン ANAKEE WILDも選べる。
ラリーマシン風のスタイリング
フロントまわりはこれまでのAfrica Twinのどのモデルよりも小さくまとめられ、超小型のデュアルLEDヘッドライトの上に細いスクリーンを置いた。フロントフェンダーは高い位置に取り付けられ、リアまわりは最小限に絞り込まれている。テールライトも新しくなった。
ハンドルはCRF1100L Africa Twinより幅が10mm狭く、10mm高く前寄りになり、ステップは20mm内側、10mm後ろに移った。座ったときの快適さと、立って乗るときの操作のしやすさを両立させるためだという。シート高は870mm/890mmの2段階で調整できる。燃料タンク容量は18.8Lで、MT仕様のWMTC燃費5.1L/100km(19.6km/L)から計算した航続距離は約370kmとなる。
7インチタッチスクリーンとスマートキー
メーターは5.7インチの車両情報ディスプレイと7インチのフルカラーTFTタッチスクリーンの組み合わせで、起動時間は約70%短い5秒。オフロード専用の表示とコンパス機能も備える。Apple CarPlayとAndroid Autoはワイヤレス接続に対応し、メーターの裏にUSB-Cソケットがある。スマートキーはイグニッション、ハンドルロック、給油口に対応し、クルーズコントロールとナックルガードも標準装備となる。50km/h以上から急ブレーキをかけるとハザードランプを点滅させるエマージェンシーストップシグナル(ESS)も備える。
カラーとアクセサリー
車体色はEnduro Sports専用のエクストリームレッドの1色。純正アクセサリーは、グリップヒーターやヒーター付きシートなどの「コンフォートパック」、エンジンガードやラリーステップ、クイックシフター(MTのみ)などの「ラリーパック」、サイドバッグとリアキャリアの「トラベルパック ソフト」が用意される。
主な諸元(欧州仕様・暫定値)
| 項目 | MT | DCT |
|---|---|---|
| エンジン | 水冷並列2気筒ユニカム4バルブ | 同左 |
| 排気量 | 1,131cc | 同左 |
| ボア×ストローク | 94.0×81.5mm | 同左 |
| 圧縮比 | 12.1 | 同左 |
| 最高出力 | 87.5kW/7,500rpm | 同左 |
| 最大トルク | 119Nm/5,750rpm | 同左 |
| 最高速度 | 199km/h | 同左 |
| 変速機 | 6速MT | 6速DCT |
| 燃料タンク容量 | 18.8L | 同左 |
| 燃費(WMTC) | 5.1L/100km | 5.4L/100km |
| CO2排出量(WMTC) | 119g/km | 125g/km |
| 全長×全幅×全高 | 2,340×945×1,440mm | 同左 |
| ホイールベース | 1,585mm | 同左 |
| シート高 | 870/890mm | 同左 |
| 最低地上高 | 260mm | 同左 |
| キャスター角/トレール | 27.5度/117mm | 同左 |
| 装備重量 | 228kg | 239kg |
| サスペンション(前) | ショーワ製49mmクローズドカートリッジ倒立フォーク(フル調整式、ストローク240mm) | 同左 |
| サスペンション(後) | ショーワ製モノショック、プロリンク(フル調整式、トラベル230mm) | 同左 |
| ブレーキ(前) | 310mmダブルディスク、ニッシン製ラジアルマウント4ピストン | 同左 |
| ブレーキ(後) | 256mmディスク、ニッシン製1ピストン | 同左 |
| ABS | 2チャンネル(リアはオフ可能) | 同左 |
| タイヤ(前/後) | 90/90-21/150/70R18 | 同左 |
| 標準装着タイヤ | メッツラー KAROO STREET | 同左 |
| メーター | 7インチTFTタッチスクリーン+5.7インチ | 同左 |
諸元はすべて暫定値で、予告なく変更される場合がある。
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近DucatiモンスターS4Rに乗り換えました。