日本メーカーにとってスクーター、小型二輪車のメイン市場の1つであるベトナムの首都ハノイでは、2030年までにバイク、スクーターの乗車が禁止となるとのこと。これは増えすぎた2輪車による交通渋滞の解消と、深刻化する大気汚染への対策とされています。しかし、安価な移動手段として人気が高いバイクやスクーターの禁止について、早くも市民からは反対の声が上がっています。

ベトナムの首都ハノイで、渋滞解消と環境汚染解消のために2030年までにモーターサイクルを禁止するという計画が承認された。これはモーターサイクルの台数が増えるほどに渋滞が解消されると一般的に考えられている北米とは対象的だ。

ハノイには750万人の人が住んでおり、500万台のバイクとスクーターが走っている。しかし車は僅か50万台しか走っておらず、2輪車と4輪車の比率は10:1という状況だ。都市計画によるとバイクとスクーターの台数は2020年までに600万台となり、車の台数は80万台になると考えられている。

ハノイ人民委員会によると、ハノイ市の交通インフラは上昇を続ける交通輸送の要求に追いついておらず、ハノイにおける60%の交通は時速約20km/hで動いている状態で、市内の通りはそのキャパシティの1.34倍の交通が走っているという。(※ハノイ中心部ではキャパシティの3.72倍)こうした過剰な交通は深刻な大気汚染を引き起こしており、ハノイ人民委員会によるとこれらの都市交通が大気汚染の70%の原因となっているという。

モーターサイクルの禁止は、96人中95人の市会議員の賛成を得ており、こうしたモーターサイクルの禁止法案を受けて、市は公共交通を増やしながら、中心部でのモーターサイクルの乗車を禁止していく。Daily Starによると、現在12%しかないバスの利用が2030年までに50%に上昇することを政府は期待しており、都市部で2本の鉄道の建設が進んでいるという。

政府案は安価な移動手段としてモーターサイクルを利用する人々から早くも反対されており、この案はモーターサイクル業界にとっても大きな影響を持つと予想される。ベトナムは世界で4番目に大きなモーターサイクルの市場である、ホンダ、ヤマハ、ピアジオがそのしのぎを削っている。

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