
ドゥカティは11月2日、EICMA2026で2027年型の「Panigale V4 SP」を公開した。10月に発表された新型Panigale V4をベースにした、サーキット走行を楽しむライダー向けのシリアルナンバー入り限定モデル。カーボンホイール、STM EVO-SBK乾式クラッチ、ニュートラルロック付きのレーシングギアボックスなど、WorldSBKやMotoGPで培った装備を持つ。
Panigale V4 SPの専用装備
Panigale V4 SPは、2027年型Panigale V4をベースに、レース由来の専用パーツを組み合わせている。ドゥカティが発表した主な装備は以下のとおり。
- カーボンホイール
- STM EVO-SBK乾式クラッチ
- ニュートラルロック付きの新しいレーシングギアボックス「Ducati Racing Gearbox」
- オーリンズの電子制御サスペンション「Smart EC 3.0」
- Panigale V4 R譲りの調整式リアリンク
- 大型化したウイングと、コーナリング性能を高める「コーナーサイドポッド」による新しい空力パッケージ
エンジンはベースのPanigale V4と同じ最高出力218hpのデスモセディチ・ストラダーレ。ドゥカティは、ライダーにプロに近い走りを体験してもらうためのモデルだとしている。価格、限定台数、発売時期は、まだ発表されていない。
ベースの2027年型Panigale V4:ヴァレルンガで0.4秒速く
V4 SPのベースとなる2027年型Panigale V4は、10月15日に発表された。2024年のWDWで公開した現行モデルの改良型で、エンジン、空力、車体、電子制御を見直した。ヴァレルンガ・サーキットでのテストでは、従来モデルより平均ラップタイムが0.4秒速くなったという。新型の装備の多くはLenovo Race of Championsでドゥカティのライダーが実戦で試し、ニコロ・ブレガが持っていたポールポジションの記録を0.7秒更新することにつながったとしている。
エンジンは218hpに、レブリミットは15,000rpm
1,103ccのデスモセディチ・ストラダーレは、エキゾーストの見直し、流量を増やした新しいエアインテーク(300km/hで空気圧が0.6%向上)、損失を減らすよう調整した潤滑系により、Euro5+仕様で最高出力が2hp高い218hp(13,500rpm)となった。最大トルクは120.6Nm(11,000rpm)。とくに12,000〜14,000rpmで出力が増え、13,000rpmでは3.5hp上がっている。300km/hでは新しいエアインテークの効果でさらに1.3CV上乗せされる。
最終減速比は16/41から17/42にロング化し、2速から5速のレブリミットを500rpm上げて15,000rpmとした。ヴァレルンガでは1周あたりの変速が2回減るという。オプションのアクラポビッチ製「Full Racing Exhaust PRO」を付けると、出力が11hp、トルクが7Nm増え、重量は6.6kg軽くなる。
フロントフレームの横剛性を12%下げる
車体では、フロントフレームの横剛性を12%下げ、深いバンク角でタイヤが路面をとらえ続けられるようにした。フロントのグリップと切り込みの正確さが増し、コーナリング速度を上げてより早くアクセルを開けられるとしている。最終減速比の変更でホイールベースは実質8mm短くなり、切り返しも軽くなった。V4 Sには、サーキット走行用に10mm高くできる調整式セパレートハンドルも採用された。
ダイナミック・エンジンブレーキとレースブレーキコントロール
電子制御の新機能は「Dynamic Engine Brake(DEB)」。従来のエンジンブレーキコントロールに代わるもので、Ducati Vehicle Observer(DVO)のアルゴリズムを使い、リアタイヤに実際にかかる荷重に合わせてエンジンブレーキを調整する。あわせて、減速時にリアタイヤの制動の割合を増やす「Race Brake Control(RBC)」も初めて採用した。2つを組み合わせることで、ブレーキングをより遅らせ、コーナーへの進入速度を保てるという。
Panigale V4 SがDucati Factory Madeに対応
Panigale V4 Sは、Panigaleとして初めて「Ducati Factory Made」プログラムに対応した。購入時に、ランボルギーニの「Ad Personam」プログラムから取り入れた5色を含む11色と、CorseとPerformanceの2種類のカラーリングから選べる。フロントブレーキの「PRO」「PRO+」パッケージ、STM乾式クラッチ、調整式ステップといった公認パーツも、工場で取り付けた状態で納車される。
2027年型Panigale V4は、欧州の販売店で2027年3月、北米の販売店で4月から発売され、その後ほかの国にも展開される。
2027年型Panigale V4 Sの主な装備
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エンジン | デスモセディチ・ストラダーレ 1,103cc |
| 最高出力 | 218hp/13,500rpm |
| 最大トルク | 120.6Nm/11,000rpm |
| レブリミット | 15,000rpm |
| 燃料を除く装備重量 | 187kg(Panigale V4は191kg) |
| フレーム | フロントフレーム(横剛性を最適化) |
| 燃料タンク | アルミ製 17L |
| サスペンション | Ducati Electronic Suspension(DES)3.0、オーリンズ NPX-30フォーク、TTX 36ショック、ステアリングダンパー(Smart EC 3.0制御) |
| ホイール | 鍛造アルミ |
| バッテリー | リチウム |
| ブレーキ | ブレンボ Hypureモノブロックキャリパー |
| タイヤ | ピレリ DIABLO SUPERCORSA V4(リア200/60) |
| 空力 | 一体デザインの複葉ウイング、拡大したサイドエンドプレート |
| 電子制御 | 6軸IMU、Race eCBS(コーナリング機能付き)、DTC DVO、DSC、DWC DVO、DPL DVO、DQS 2.0、DEB、RBC、DVO |
| ライディングモード | Race A、Race B、Sport、Road、Wet |
| メーター | 6.9インチフルTFT(8:3) |
| そのほか | 調整式セパレートハンドル(サーキット専用)、シングルシート(タンデムキットはアクセサリー)、Ducati Data Logger/Ducati Multimedia System対応 |
スタンダードのPanigale V4はドゥカティレッドの1色で、V4 Sとの違いは、ショーワ製43mm BPFフォーク、ザックス製ショックとステアリングダンパー、固定式セパレートハンドル、5本スポークの軽合金ホイール、鉛バッテリー、装備重量191kgとなる。
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近DucatiモンスターS4Rに乗り換えました。