ホンダ、ヤマハの2メーカーが苦戦を続けているが、この状況に対して日本メーカーにコンセッションを設けるべきか?といった議論が出て久しい。今までDucati、アプリリア、KTMはコンセッションによってシーズン中のテスト等の優遇処置を受けていたことで戦闘力を高めてきた背景があるが、これを特例として苦戦する日本の2メーカーに採用してはどうかということがことの発端だ。

とは言え、コンセッションはオープンカテゴリーからスタートしたもので、戦闘力の低い(表彰台獲得が出来ない)メーカーに年間のテスト回数やエンジン数、燃料の容量において優遇処置を与えて、戦力アップを支援する仕組みだった。この原則に基づくと、表彰台獲得をしてはいるヤマハ、ホンダがコンセッション対象になる事自体が理にかなっていない。

今シーズンは大躍進といえるKTMのステファン・ピエラは、コンセッションを巡る議論に対して、「日本人は果たしてそれを望むだろうか?」と疑問を投げかけている。

テスト日程を増やすことは別のアプローチ

KTM ステファン・ピエラ


「コンセッションを日本メーカーに対して設けるのは正しいアプローチではないでしょう。日本メーカーもそれは望まないでしょうし、ある種屈辱と言えるでしょうね。こうしたことを行うと日本人のプライドを傷つける結果になるでしょう。」

「しかしテスト日程を増やすといった事は別のアプローチとして考えることが出来ます。テスト日程が増えれば、再び日本メーカーがトップレベルに近づくことが出来るかもしれません。レギュレーションの見直しが行われているのは納得出来ることです。何よりも重要なのは2つの日本メーカーがこの選手権に参戦を続けることですからね。」

(Photo courtesy of KTM)