Honda HRCはオーストラリアのフィリップアイランド・サーキットで2日間にわたる最終冬季テストを実施。シャビ・ビエルゲとイケル・レクオナがCBR1000RR-Rのセットアップを進める中、レクオナは万全ではないコンディションの管理にも注力した。また、Honda HRCの公式テストライダーであり、今大会でワイルドカード参戦する長島哲太もテストに参加した。
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最終調整を終え、開幕戦へ
2025年スーパーバイク世界選手権の開幕が数日後に迫る中、ビエルゲ、レクオナ、長島の3名は2月17日(月)・18日(火)に行われたプレシーズン最後のテストを活用した。 両日とも、スーパースポーツクラスと交互にセッションが組まれ、計4時間の走行時間が確保された。4セッション中3回は晴天のもとドライコンディションで実施され、ライダーたちはエンジニアと共にCBR1000RR-Rの微調整を進めた。
ビエルゲは月曜日に64周を走破し、午前より午後の方がペースが向上。バイクのフィーリングも良好で、順調にテストを消化した。 一方、レクオナは冬の負傷から回復途上でありながら慎重に走行。1日目は23周を走行したものの、午前のセッション終盤に6コーナーで軽い転倒を喫した。午後の走行には復帰したものの、10周を終えた時点でチームと相談の上、翌日に備えて早めに切り上げた。
2日目のテストも同様の流れで進み、ビエルゲは33周、レクオナは26周を走行。しかし、午後には小雨が降り、路面が一時ウェットに。SBKのほぼ全ライダーが走行を見合わせる中、路面が乾き始めた終盤20分でビエルゲが7周、レクオナが10周を追加し、今季最後の冬季テストを締めくくった。
開幕戦は今週末、フラッグ・トゥ・フラッグ形式での戦い
ワールドSBKの開幕戦は金曜日のフリープラクティスからスタートし、土曜日に予選とレース1、日曜日にスーパーポールスプリントとレース2が実施される。今回のフィリップアイランド戦では、レース1・レース2ともに20周で行われ、FIMとDWOの規定により、SBKクラスのリアタイヤは最大11周までの使用が義務付けられるフラッグ・トゥ・フラッグ形式となる。
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シャビ・ビエルゲ(総合9位)
「とても実りあるテストになり、特に初日が終わってからは大きな進歩がありました。バイクのセットアップで良い方向性を見つけ、レースペースも改善できたので、冬季テストを良い気分で終えられます。タイヤのライフを管理するために電子制御の調整にも重点を置きましたが、この部分でも良い手応えを得られました。」
「また、今週末のレースで重要になるフラッグ・トゥ・フラッグの練習も行い、準備は万端です。最後のセッションが雨でタイムアタックの機会を逃したのは少し残念ですが、セットアップのすべての要素を確認できたので、開幕戦に向けて準備は整っています。早くレースがしたいですね。」
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イケル・レクオナ(総合20位)
「この4カ月間、ほとんどバイクに乗れなかったので、今回が実質的に復帰戦のような感じでした。ただ、まだ100%ではなく、体調としては60%くらいですね。怪我は治りましたし、全体的には良いのですが、左肩周りの筋力が落ちていて、バイクを操るのに十分な力が戻っていません。特に切り返しではかなり苦戦しています。」
「久々にバイクに乗れて嬉しい反面、思うような走りができないことにフラストレーションもあります。今週末のレースでは間違いなく大きな課題になりますが、これが現状なので受け入れるしかありません。 」
「チームは本当にサポートしてくれて、バイクのセットアップだけでなく、メンタル面でも支えてくれました。昨日の午後は精神的にかなり疲れてしまい、チームのアドバイスで早めに切り上げましたが、それが正解でした。今朝は気持ちをリセットできて、より良い感触で走ることができました。セットアップ面でもいくつか新しいことを試し、レースに向けて良いデータが取れたので、週末の展開を見ていきたいですね。」
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(Photo courtesy of HRC)