プラマック・ヤマハMotoGPチームは、ジャック・ミラーとミゲル・オリベイラを擁し、伝統のシルバーストン・サーキットでのイギリスGPに臨む。5,900メートルの高速サーキットはシーズン第7戦の舞台となり、チームにとってはル・マンで取り逃がした結果のリベンジの機会だ。

ル・マンでは雨に翻弄され、計算通りのレース戦略が結果に結びつかなかったプラマック・ヤマハ。だが、YZR-M1の競争力が徐々に高まっていることに確信を持つチームは、変わりやすい英国の天候にも対応しつつ、再び上位争いへの復帰を狙っている。

ヘレスGP以降、YZR-M1は着実な進化を遂げており、ヨーロッパラウンドの再開がこのマシンにとっては好材料となっている。シルバーストンは元空軍基地を改修した高速サーキットで、ストレートと多彩なコーナーが複雑に絡み合う。中でも「ザ・スネーク」と呼ばれるマゴッツ-ベケッツ-チャペルの複合コーナーは、シーズン屈指のテクニカル区間だ。

ブレンボのデータによれば、ライダーは1周あたり約38秒間ブレーキを使用し、最も過酷なのはターン7(ストウ)で、330km/hからわずか5秒で120km/hまで減速する。

ミラーは2021年に4位、2022年には表彰台3位を獲得。予選では3度フロントロウに進出しており、2023年に2番手、2019年と2022年に3番手を獲得している。オリベイラはフランスで復帰後、体調も回復傾向にあり、2023年には16番手スタートから猛追して4位フィニッシュ。トップ4が0.750秒差以内という激戦を演じた。

ジーノ・ボルソイ(チームディレクター)

「シルバーストンは紙面上ではYZR-M1にとって理想的なサーキットです。急ブレーキやストップ&ゴー区間が少なく、シャシーパフォーマンスが問われるこのレイアウトは、現在のヤマハの特性にマッチします。過去数戦でマシンのポテンシャルは明らかに伸びており、それがまだレース結果に完全に反映されていないだけです。ここでその真価を証明できるはずです。オリベイラは1戦を終えてさらに前進すると見ていますし、ミラーには強いポジション争いを期待しています。」

ジャック・ミラー

「フランスでのチャンスを逃した直後だからこそ、今回のイギリスGPでは巻き返したいという気持ちが強いです。フランス後の数日は簡単ではありませんでしたが、レースとはそういうものです。今はすべての集中をシルバーストンに向けています。ヤマハの競争力が増してきているのは確かですし、天候がどうなろうと、自分たちの実力を示すチャンスになると信じています。レイアウトだけでなく、サーキットの雰囲気も大好きな場所なので、早く走りたいですね。」

ミゲル・オリベイラ

「ル・マンではまず走行感覚を取り戻すことが目標でした。無理をせず周回を重ねることが最優先で、リザルトは意識していませんでした。シルバーストンではすでに違うアプローチになります。身体のコンディションも改善していますし、この数日間はトレーニングにも集中してきました。マシンへの慣れも進んでおり、さらに自信を高めていけるはずです。」