チェコ・モストで行われたWorldSBK第5戦最終日、ホンダHRCのイケル・レクオナが両レースで6位・7位と安定した成績を残した一方で、シャビ・ヴィエルヘはレース2で他車の接触によりリタイアを余儀なくされた。午前のコンディションがウェット気味だったことから、HRCを含む大半のチームがウォームアップ走行をキャンセル。その後、気温が低いまま迎えたティソ・スーパーポールレースでは、路面がドライの状態でレースがスタートした。

5番グリッドからスタートしたレクオナは1周目を7番手で通過し、すぐさまバウティスタを抜いて6番手に浮上。その後、アレックス・ロウズとの5位争いを展開し、7周目に一時は前に出るも、ゴール直前に再び交わされ6位でチェッカー。それでもポジティブなパフォーマンスを示し、午後のレース2でも2列目スタートを獲得した。

一方のヴィエルヘは、SC0リアタイヤを選んだわずか3人のうちの一人。序盤から攻めの走りを見せ、1周目で2ポジションアップ。レース中盤には9位を走行し、終盤にもう一つ順位を上げて8位でゴールした。

好調な朝の結果を受けて意気込んで臨んだレース2では、レクオナが2列目、ヴィエルヘが3列目スタート。だがそのレースは、ヴィエルヘにとって不運な展開に。1コーナーで他ライダーに衝突され、ハイサイドで転倒しリタイア。右足の足根骨に骨折の疑いがあり、メディカルセンターで応急処置を受けたのち、翌日にはスペイン・バルセロナのDr.ミールによる精密検査を受ける予定となっている。

一人でHRCの期待を背負うことになったレクオナは、序盤は8位から9位あたりを行き来。リズムをつかむとすぐに前を走るロカテリに迫り、12周目に7位へ浮上。以降は上位陣と同等のペースを維持しながらも、それ以上の順位アップは叶わず、9ポイントを追加した。

第5戦終了時点で、ヴィエルヘはランキング7位(71ポイント)、レクオナは9位(66ポイント)に位置。チームは5月27~28日にイタリア・ミサノでテストを実施後、6月13~15日に同サーキットで開催される第6戦に臨む。

イケル・レクオナ

「全体として、今回のモストではとても良い仕事ができたと思っています。昨日も今日のスーパーポールレースでも、強い走りができました。一時は表彰台争いにも絡めるかと思ったけれど、タイヤの消耗が一気に進んで、それ以降はポジションキープに専念する形になりました。アルヴァロに抜かれて最終的に6位でしたが、前にいたのはドゥカティ4台とトプラックなので、うちにとっては十分ポジティブな結果です。」

「レース2では腕に少し問題を抱えながらも、ペースは保てました。シフトダウン時にバイクに小さなトラブルが出て、それで少しタイムを落としたけど、全体として満足しています。3周目の最終コーナーでは転倒寸前の大きなスライドも何とかセーブできたので、そこも良かったです。次回どうなるか楽しみですし、最後に、シャビの一日も早い回復を願っています。」

シャビ・ヴィエルヘ

「午前のスーパーポールレースは、我々にとって非常にポジティブな内容で、目標だった9位以内でのフィニッシュも果たせました。13番グリッドから8位まで上がれたのは大きな前進ですし、昨日の走りを踏まえても、レース2ではまた良い結果が出せると信じていました。ですが、レースは1周目で終わってしまいました。他のライダーのミスで1コーナーで接触され、大きなハイサイドで転倒してしまいました。」

「右足に骨折があるかもしれないので、明日バルセロナでDr.ミールの診察を受けます。チームには改めて感謝したいです。週末を通してしっかりとした仕事ができましたし、ライダー2人ともが競争力を発揮できていたのは大きな意味があります。今はとにかく、状況を把握してできるだけ早く回復に向かいたいと思っています。」