シルバーストーンでの苦手意識 移籍についての考え方
ル・マンではリスクと選択が求められる中で完走を重視したマルク・マルケスは、天候が怪しいことが予想されるシルバーストーンに向けて再び限界を見極めつつポイント獲得を重視すると語った。長年勝利のないこのトラックに苦手意識を持ちながらも、強力なライバルたちに接近できるかを注視している。ファクトリーチームとしてのプレッシャーの中でも楽しさを感じつつ、優勝という期待に応えたいとの決意を見せた。バイクの進化やチーム環境の向上も成績向上に寄与しているとし、ホンダとの特別な関係性についても言及した。

マルク・マルケス
「ル・マンはトリッキーなレースでした。リスクを見極めて正しい選択をする必要がありました。その中で完走をする必要がありましたね。シルバーストーンでは再びレベルを見極めながら最大の結果を持ち帰りたいと思います。リスクはいつも感じながら走っていますが、何よりもポイントをしっかり獲得することが重要です。シルバーストーンではアレックスとペッコが非常に強いでしょう。自分にとってはあまり得意ではないトラックです。2014年から勝利がないトラックですしね。ライバルに接近出来るか見ていきたいと思います。」
「このトラックで勝利がない理由はあるんですが、レース前からそういったことを話をするわけにはいきません。もちろん弟は自分の弱点を知っていると思いますが、こういった情報を話すとライバルやチームメイトも情報を知ってしまいますからね。もちろん長い右コーナーが苦手であることは間違いありません。カタルーニャ、カタールもそうですね。もちろん今年のカタールは改善していましたが、今年はどうなるかですね。」
「表彰台、優勝が増えていくと喜びは増えていきます。最新型のバイクでファクトリーチームで走行しているとプレッシャーは大きいです。昨年はグレシーニという環境でしたが、4年間怪我に悩まされ低迷していた自分にとっては最高の環境でした。今年はプレッシャーは大きいですが、Ducatiレノボチームで最新型のバイクに乗っているわけですから、期待されているのは当然優勝することです。これを今は全力で追っているわけですが、もちろん楽しみながらやっています。」
「今年の成績が良いのはバイクの進化が大きいですね。テスト段階でGP24が明らかに良いバイクだというのはわかりましたし、ファクトリーチームということでより多くのエンジニアがいますし、環境面ではさらに良くなっているのもあるでしょう。グレシーニではアレックスが証明しているように、チームレベルはものすごく高いわけですが、やはりサテライトとファクトリーの違いはあります。」
「マルティンの移籍話については本人達が語るまでは真実はわかりません。アプリリアの声明も見ましたが、最終的にはマルティンと彼のチームが語ることを待たないとわかりませんね。自分の場合はマルティンとは少し状況が違うと思います。4年怪我で苦しんできましたし、共に6回タイトルを獲得しました。ホンダと素晴らしい関係があり、現在もそれは同じです。そして自分の場合は不必要なまでに高額な契約金で自分と契約していたという事実があります。10位程度でしか完走出来ない選手に資金をつぎ込むのではなく、その資金をホンダはバイクの開発に注ぎ込むべきだと自分は感じたんです。自分とホンダの関係性は特殊で特別なものですし、契約の途中解消は両者の合意によるものなんです。」
(Photo courtesy of michelin)