オセアニアに舞台を移したMotoGPはオーストラリアでレースを行う。すべてのMotoGPライダーと密接に協力するブレンボの技術者によれば、フィリップアイランドはブレーキへの要求度が低いサーキットのひとつだという。難易度指数は6段階で1となる。
フィリップアイランドはメルボルンから140km離れた同名の島に位置し、南緯38度と全選手権のなかで最も南極に近いサーキットだ。ブレーキから熱が奪われやすい特性をもつサーキットのため、ブレーキを適切な初期温度に保つため、MotoGPでは雨天時に他のサーキットと同じカーボンカバーを使用することが多い。
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ストーナーの走り
フィリップアイランドで開催されたGPレースは26回を数え、ブレンボ製ブレーキを装着したモーターサイクルは、プレミアムクラスで25回の連続優勝をしている。ウェイン・ガードナー、ミック・ドゥーハン、そして2007年から2012年まで6年連続で優勝したケーシー・ストーナー(最初の4回はドゥカティ、最後の2回はホンダ)など、地元ライダー達の活躍も大きい。
オートバイの電子制御があまり発達していなかった当時、ストーナーは第六感を頼りに加速時にリアブレーキを多用した。フィリップアイランドのターン3では、ターン進入前にリアブレーキを使ってバイクを横滑りさせていた。こうすることで、彼はライバルたちよりもコース左側に移動することができ、ターン4ではバイクをストレートに残したままリスクを抑えてブレーキングすることができた。
シルバーストーンと似ているフィリップアイランド
ライダーはオーストラリアのコースにある12のコーナーのうち半分でブレーキを使用する。ライダーがフィリップアイランド1周でブレーキを使う時間は20秒で、これはレース時間の23%に相当する。イギリスのシルバーストーンがフィリップアイランドより1.5km長いとはいえ、絶対値も割合もシルバーストーンの方がわずかに低いだけとなる。
スタートからフィニッシュまで、ライダーがブレーキレバーにかける力をすべて合計すると、イギリスGPに次いで全選手権で2番目に低い640キロにしかならない。これはフィリップアイランドが太平洋の氷の海に近いことも相まって、カーボンディスクが最低使用温度に達しない危険性があるためだ。
ターン1のブレーキング
フィリップアイランドにある6つのブレーキングセクションのうち、ブレーキへの負担が大きいとされるものはなく、3つは難易度が中程度、3つは低いとされている。制動距離が255mに達するターン1のブレーキングで、ライダーは時速346km/hから時速194km/hまで3.6秒で到達し、その間にライダーはブレーキレバーに4.7kgの力をかけ、1.7Gの減速を強いられる。
(Photo courtesy of brembo)
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