イギリスGPの決勝レースは1回目のスタートではアレックス・マルケスがスタート直後に転倒、マルク・マルケスもトップ走行中に転倒、後方ではアレイシ・エスパルガロ、フランコ・モルビデッリが接触したことが原因で路面が汚れ、これにより赤旗中断となる。2回目のスタートではファビオ・クアルタラロがソフトタイヤを活かした攻めの走りでレースを序盤からリード。
ファビオ・クアルタラロは一時は5秒近い差をつけ、レース折り返しを迎えても快走を続けた。残り周回、4.5秒ほどのリードもあり優勝が期待されたが、まさかのマシントラブル。リアライドハイトデバイスがロックされた状態のままに戻らなくなり、フロントをロックさせてリアを路面に叩きつけることで解除を狙うも解除出来ず、ここで自らレース棄権を選択。優勝も狙える走りだっただけに本人の落胆は大きかった。
ファビオ・クアルタラロのリタイアで2位走行中のマルコ・ベッツェッキがトップとなり、スルスルと上位に進出したヨハン・ザルコが2位となる。マルク・マルケスはタイヤに苦戦していたのか、終盤でフランコ・モルビデッリと3位争いを展開。最終ラップはフランコ・モルビデッリと何度もラインをクロスしつつ、フォトフィニッシュの3位を確保。
優勝したのはマルコ・ベッツェッキで、アプリリアにとっては嬉しい2025年初優勝、マルコ・ベッツェッキにとっても移籍後のアプリリアで初優勝となった。なお、マルコ・ベッツェッキ自身にとっては2023年のインドGP以来の優勝となり、実に609日ぶりの優勝となった。
ヨハン・ザルコはこれでフランスGPから引き続き連続表彰台となる2位、ホンダライダーとしてはマルク・マルケスが2021年に連続表彰台を獲得して以来の連続表彰台となった。

4位はフランコ・モルビデッリ、5位アレックス・マルケス、6位ペドロ・アコスタ、7位ジャック・ミラー、8位ルカ・マリーニ、9位アルデゲル、10位ファビオ・ディ・ジャンアントニオとなった。なお、フロントエンドのフィーリングに苦戦を続けるフランチェスコ・バニャイアは転倒でリタイヤ。決勝レースで2連続DNFとなった。
優勝マルコ・ベッツェッキ
「最高の結果です。過去数ヶ月本当に辛い時期が続いていました。アプリリアが自分を信じてくれ、新しい冒険が始まりました。非常に厳しい状態がありましたが、ファクトリー、チーム、自分も諦めずに進んできました。支えてくれたファクトリー、家族、友人に感謝します。前回の優勝から再びこの日を迎えることを待ち望んでいました。本当に嬉しいですね。」
2位ヨハン・ザルコ
「信じられない結果です。特別なレースでした。1回目のスタートはペースを発揮したかったんですがリアタイヤをコントロールしようと苦戦しました。2回目は最初の3つのコーナーがうまくいってポジションを回復出来ました。Ducatiの2人がフロントに慎重になっていたのでチャンスと見てプッシュしました。ジャックもペースがありましたが、気づいたら表彰台圏内だったわけです。」
「ベッツはスピードがありましたが、ファビオがトラブルで離脱した時は優勝もあるかもと思っていました。ベッツは前にいましたがタイヤに苦戦しているかもしれませんでしたから。ただ自分もフロントが厳しくリアはスピンしていました。最終ラップはマルクの接近に注意しながらコントロール出来ました。」
3位マルク・マルケス
「今日は単純にラッキーでした。最初のスタートではミスをしてしまいましたし、自分に対して怒っています。それ以外は特に言うことはありません。」