MotoGP第15戦カタルーニャGPを目前に控え、ホンダHRCカストロールは確かな進化とともにバルセロナへ乗り込む。ハンガリーGPを経て迎える今回の一戦は、ルカ・マリーニとジョアン・ミル、そしてRC213Vにとって重要なターニングポイントとなる。

カタルーニャ・サーキットは、1995年にグランプリ初開催となって以降、ヨーロッパを代表する常設テスト拠点としても機能してきた。全長4.627km、右コーナー8つ・左コーナー5つで構成されるこのトラックは、グリッド全体にとって比較基準となる技術的なサーキットだ。

ルカ・マリーニ、契約延長とともに手応えを得てカタルーニャ入り

先日、ホンダHRCとの契約延長を発表したルカ・マリーニは、勢いそのままにカタルーニャへ臨む。ハンガリーGPでは金曜と予選Q2で力強い走りを見せ、ホンダ機でのベストリザルトを更新。今季出場したすべてのレースでポイントを獲得しており、安定した成績が続いている。

ここ数戦、ホンダのエンジニア陣と共に複数の新パーツを試してきたマリーニにとって、今回のGPは開発の現状を精査し、比較を行う絶好の機会でもある。グリップコンディションが大きくパフォーマンスに影響するサーキットなだけに、週末を通しての適応力が求められる。

ルカ・マリーニ

「ホンダHRCとの契約延長を発表できて嬉しいですし、このプロジェクトを続けられることにとてもワクワクしています。ハンガリーでは良い週末を過ごせましたが、バルセロナはまったく異なるタイプのサーキットです。グリップが大きく違っていて、これはまだ自分たちのパフォーマンスに影響を与えています。週末を通して路面状況に適応していくことが重要です。今まで通り集中力を保ち、良い形でシーズンを締めくくりたいです。」

ジョアン・ミル、慣れ親しんだホームGPで確かな前進を狙う

前戦ハンガリーでは不運と転倒によりトップホンダ争いに絡めなかったジョアン・ミルだが、直近の数戦では着実にトップ6争いへと食い込むパフォーマンスを見せている。カタルーニャは彼にとって馴染み深いトラックであり、MotoGP昇格後に4度のトップ10フィニッシュを記録している“縁起の良い”サーキットでもある。テストチームとの事前走行も功を奏しつつあり、週末を通して安定したペースを発揮できれば、再び上位進出が現実味を帯びてくる。

ジョアン・ミル

「モントメロはよく知っているサーキットで、自分たちもテストチームもここで何度も走っています。ここ数戦はしっかりとスピードを見せられていると思いますし、オーストリアでは好結果も出せました。ハンガリーではまた少し運がなかったですが、今の状況ではそれもあり得ることです。うまく週末をまとめて要所で一歩前に出られれば、トップ6〜7には十分入れると思っています。改善は続いているので、このまま前に進みたいです。」