ホンダは2026年モデルとして、新型ネイキッドモデル「CB1000F」を発表しており、本モデルはEICMAでも展示されている。本モデルは、CB1000ホーネットをベースとしながらも、1980年代のモータースポーツを彷彿とさせるスタイリングと、トルク重視の再設計エンジン、充実の電子制御装備を融合したネオクラシック・パフォーマンスロードスターだ。

“The Best Balanced Roadster”を目指した設計思想
CB1000Fは、「中量級のように扱いやすく、大排気量らしい力強さ」を両立する“ベスト・バランスド・ロードスター”という開発コンセプトのもと設計。扱いやすさと楽しさ、所有する喜びを兼ね備えた一台として、都会の街乗りからワインディングまで、幅広いシーンに対応する。
CBR1000RR譲りの直列4気筒をトルク重視にチューニング
搭載される1000cc DOHC直列4気筒エンジンは、CBR1000RR(2017年型)ベースながら、吸気長・カムタイミング・ギア比を最適化し、出力特性を完全に再調整。最高出力は91kW(9000rpm)、最大トルクは103Nm(8000rpm)で、ピークパワーよりも中低速域のレスポンスと加速感を重視している。1速と2速は低速寄りに、3速以上は高速巡航向けに再設定され、街乗りでもロングツーリングでも快適なフィーリングを実現する。
排気系には、当時を思わせる3室構造の“メガホン”マフラーを採用。吸排気の共鳴を活かした“オフビート”な4気筒サウンドを奏でる。
1980年代インスパイアのスタイリング
外観は、CB750FやCB900Fといった80年代の名車を彷彿とさせる直線的なデザインを採用。丸型LEDヘッドライト、ツインホーン、クローム仕上げのエキゾーストパイプ、サイドカバーとテールカウルに貫かれる水平ラインなど、視覚的にも“走れるネオクラシック”を強く印象づける。カラーは以下の3色展開:
ウルフシルバーメタリック+ブルーストライプ(新色)
ウルフシルバーメタリック+グレーストライプ(新色)
グラファイトブラック(新色)

電子制御と先進装備も充実
ライディングモードは、STANDARD/SPORT/RAINに加え、任意設定可能なUSERモードを2種類備える。スロットルバイワイヤ(TBW)による出力制御に加え、IMU(6軸センサー)によるホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール(HSTC)、エンジンブレーキ制御、ウイリーコントロール、リアリフト制御などを統合。
メーターには視認性の高い5インチTFT液晶を採用し、Honda RoadSyncアプリによるスマートフォン接続・ナビ・通話・音楽再生にも対応。Hondaスマートキーシステム、ESS(急制動時のハザード自動点滅)も標準装備される。
シャシーとサスペンションは快適性と俊敏性を両立
スチール製ダイヤモンドフレームに、CB1000F専用のロングサブフレームを採用し、ライダー・パッセンジャーともに快適な乗車空間を確保。足回りはSHOWA製41mm SFF-BP倒立フォークと、新設計のPro-Linkリアショック(プリロード・リバウンド調整可)で構成。ブレーキはNissin製4ピストンラジアルマウントキャリパー+310mmフローティングディスク(フロント)、240mmシングルディスク(リア)に、IMU連動のコーナリングABSが組み合わされる。
車体サイズは全長2135mm、シート高795mm、ホイールベース1455mm、車重は214kg。街乗りでも軽快な取り回しを実現するよう設計されている。
環境配慮素材も導入
ホンダが掲げる「Triple Action to Zero(2050年環境負荷ゼロ)」の一環として、リアフェンダーやシートベースにリサイクルポリプロピレン(PP)を使用。将来的なバイク全体の素材転換にもつながる取り組みだ。
純正アクセサリー3パックを展開
利便性やスタイルをさらに高めるため、以下の3種の純正アクセサリーパックが用意される。
SPORTS PACK:ヘッドライトカウル、オイルフィラーキャップ、タンクデカール、エンジンガード、ラジエーターグリル、クイックシフター
COMFORT PACK:ハイウィンドスクリーン、デフレクターセット、快適シート、フォグライト
TRAVEL PACK:14L&10Lソフトサドルバッグ、3Lタンクバッグ
【主要諸元(抜粋)】
エンジン:水冷DOHC直列4気筒 1000cc
最高出力:91kW / 9000rpm
最大トルク:103Nm / 8000rpm
燃費:5.6L / 100km
タンク容量:16L(航続距離280km以上)
重量:214kg(装備重量)
サスペンション:SHOWA製SFF-BP倒立フォーク/Pro-Linkリアショック
ブレーキ:Nissin製ラジアルキャリパー+310mmディスク(前)/240mmディスク(後)
ライディングモード:STANDARD/SPORT/RAIN/USER×2
IMU連動制御:HSTC/エンブレ制御/ウイリー/リアリフト制御/コーナリングABS
その他装備:5インチTFTメーター、Honda Smart Key、Honda RoadSync連携、LED灯火類、ESS、USB-Cポート
中の人は元スズキ(株)気になるバイクニュースを2014年から運営しています。愛車遍歴はGSX-R1000K5、DucatiモンスターS2R、Ducati 916、XR230F、GSX-R600 K7、最近はまた乾式クラッチのDucatiに乗りたいと思っています。